室蘭市でガソリン漏れにより水道水から発がん性物質が検出された問題で、住民ら９人からガソリンに含まれるベンゼンを体内に取り込んだ可能性を示す数値が検出されました。専門家はより正確な検査が必要だと指摘しています。
室蘭市のガソリンスタンドからガソリンが漏れ、水道水から「ベンゼン」が検出された問題。
検査を受けた人）
「３回目の結果が８倍くらいにどんと高くなってしまっていてどうしてなんだろうなって」
こう語るのはガソリンスタンドの近くにある職場で働いていた女性です。３回目の健康調査の結果、尿中フェノールの数値がベンゼンを体内に取り込んだ可能性がある１リットル当たり２５ミリグラムを超えていました。
検査を受けた人）
「私の体がこの先どうなっちゃうんだろうなって」
ガソリンスタンドを所有するＥＮＥＯＳなどは専門家を集めた会議を開き、今回の健康調査の結果などを報告しました。ベンゼンを過去に体内に取り込んだ可能性があることを示す数値は住民ら９人の尿から検出されたということです。
一方で、いまもこのガソリンの漏洩によってベンゼンが体内に残っている可能性を示す数値が出た人はいませんでした。
北海道大学大学院保健科学研究院・池田敦子教授）
「明らかな汚染とかがあればもっと高濃度出ると思いますので、一般の人たちの分布の範囲内だということは言えるかな」
２１日の会議ではガソリンが漏れ出した時期についても新たな可能性が示されました。ＥＮＥＯＳによりますと配管の腐食状況などを調べたところ、ガソリンが漏れ出し始めたのは去年からだった可能性があるということです。
しかし、２０２０年１０月以降検査を怠っていたため、ＥＮＥＯＳは今のところこの時期から漏えいが始まったものと判断していて、考えられる漏えい量はおよそ２１００リットルだとしています。住民らの怒りはピークに達しています。
検査を受けた人）
「話していて怒りが沸くくらい。本当に許せないです。
ＥＮＥＯＳの対応は」
検査を受けた人）
「私たちは置き去りだと思っています」
ＥＮＥＯＳなどは来月上旬に４回目の健康調査を行うことにしています。
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