【報ステ】「教育が明るい未来を」高い教育熱“人口1位”“経済5位”インドの今(2023年3月3日)

【報ステ】「教育が明るい未来を」高い教育熱“人口1位”“経済5位”インドの今(2023年3月3日)

今週、2022年の日本の出生数が「初めて80万人を割った」と大きく報じられ、衝撃が広がりました。

想定以上のスピードで少子化が進む日本。一方、世界に目を向けると、人口14億人、中国を抜いて世界一となったとみられるインドが、名目GDPで旧宗主国のイギリスを抜き、世界で5位となったことが明らかになりました。

その経済成長の原動力、インドの今を取材しました。

毎年年間1000万組以上の夫婦が誕生。約2500万人の子どもが生まれるインド。去年、日本企業の事業展開先として1位だった中国を抜き、生魚を食べる習慣のないインドに寿司をウリにしたレストランも拡大しています。

日本食普及の親善大使『Sushi and More』小里博栄代表:「非常に人口が多いということは、それだけ可能性があるということなので、拡大のチャンスが非常に楽しみです」

経済を世界トップレベルに押し上げる原動力とも言われるのが若者の数です。

14億人以上が暮らすインドの家庭を取材すると、未来を担う若者が爆発的に増える理由が見えてきました。

インドの首都デリーで暮らす、クマールさん一家の一日は夜明け前から始まります。

2人の子どもを持つクマールさん(35)は、映像制作の会社に勤める会社員。そして、妻のベビーさん(32)は専業主婦です。

給料は5万円ほど。中間層とされる家庭です。

この日の気温は10度。普段は床で食べるといいますが、暖房がないため、ベッドの中で食べています。

生活の中心は子どもたち。長女のエンジェルさん(6)は、午前6時のスクールバスに乗り、1時間以上かけて通学しています。

今、インドで高まっているのが子どもへの教育熱です。

クマールさん:「進学したい学校へ行かせることができるかどうか気になります。子どもには、医者とかエンジニアになってほしいです」

国は義務教育の無償化のみならず、2002年に全国で給食を無償化。2010年から公立学校では制服や教科書、筆記用具も無料という制度を作っています。

さらに、インドの人口増加の理由には、出産環境の変化も。

ベビーさん:「子どもが生まれると(特に女の子は)国から多くのお金が支給されます。病院は全部無料で治療が受けられます。私たちは安心しながら、自分の子どもを迎えることができます」

インド政府は、2011年からは公的医療機関での出産や、乳児の治療の自己負担をなくしています。

実際にインドは先進国などに比べ、遥かに高い出生率を維持しています。

インドの爆発的な人口増加の要員は、高い出生率だけではありません。

朝日新聞ニューデリー支局長・石原孝記者:「以前は医療面で厳しい地域というのが結構あったので、5人いても1~2人はなくなってしまうという面はあったんですが、最近は医療面が改善してきてるというのもあります」

地方でも医療が整備されるなど、インドの5歳未満児の死亡者数は、20年間で約70%減と大幅に改善しました。

石原孝記者:「(インドでは)子どもを産めば、社会・地域で育てるという文化・慣習がある。子どもを産むというのは、社会にとっても喜ばしいこと」

日本とは違い、若者が増える形で、今や人口が14億人以上となったインド。デリーで暮らすクマールさん一家も、インドの成長が今後も続くことを疑っていません。

クマールさん:「子どもたちが、より教育を受けられれば、子どもとインドの未来は明るいです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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