13日は今年3回目の年金の支給日でした。年金の受給者100人に今の生活から感じる後悔などを聞きました。
■夫婦で年金月30万円でも「介護費に医療費」
今年3度目となった年金支給日。銀行のATMには長い行列ができていました。厚生労働省が年金額を見直したため、今回から支給される年金は前年度に比べ1.9%増えました。
年金を下ろしに来た84歳の女性はこのように話します。
年金受給者(84)月3万9000円
「大体7万8000円くらい、2カ月で。だから食べていくのに本当にギリギリですね」
電気代や水道代などが引き落とされ、1カ月で使える年金は3万円ほどだといいます。
月5万円ほどの年金で生活しているというこちらの女性も。
年金受給者(70代)月5万円
「苦しいよね、そりゃあね。5万円ってすべての生活費。それ以外のところで使えるお金っていうのはないからね」
今月から年金額が増えたとしても、物価の高騰で生活は苦しいままだと訴えます。
そんななか、都内のドラッグストアでは、2000円台の備蓄米が店頭に並ぶようになってから初めての年金支給日。並べられたコメを次々と手に取っていきます。
年金受給者(70代)月7万円
「たまたま買いに来たらあったので、買わせてもらいました。助かります、助かります」
年金受給者(80)夫婦合わせて月15万円
「楽しみにしてたからさ。助かるよ。(備蓄米が)ない時は棚見れば分かるけど、5000円近いの買っていたんだから」
こちらの女性は夫婦で合わせて月30万円ほど年金を受給していますが、介護が必要な夫の医療費などで生活に余裕はないといいます。
年金受給者(70代)夫婦合わせて月30万円
「介護費とか医療費とかもかかるし、結局日々の生活費でほぼ終わっちゃうから、まだ(以前買ったコメが)あるんですけれど、思わず買ってしまった」
■貯金しても「患って…」
番組で年金受給者100人を取材すると、あの時こうしていればという後悔の声が聞こえてきました。最も多かった“後悔”は「お金に関する後悔」。
年金受給者(75)月約7万円
「もっと真剣にね、お金のこと考えていればよかったと思う」
年金受給者(82)月約6万円
「若い、働いている時に、もうちょっと貯金しておけばよかった。切り崩しちゃうから、どうしちゃってもさ」
あまり貯金をしてこなかったことを後悔していると言います。貯金をしていた人でも、このような声が聞かれました。
年金受給者(83)月約6万円
「それこそスズメの涙ほど。貯蓄なんかやっていたけどね、主人患って25年のうちにね、貯蓄もね何もみんななくなっちゃった」
夫の病気で蓄えはなくなってしまったと言います。お金にまつわる後悔は年金にも。
年金受給者(70代)月約2万7000円
「実家が商売していて国民年金だったんですけど、払ってない時があったんですね」
国民年金の未納時期がありました。
「まとめて払えば今からだったら間に合いますよって言われたんですけど、その時点では90万円くらい払えば全額もらえますよってあったんですけど、その当時いっぺんに払うっていうお金ができなかったので」
夫の年金を合わせても、月12万円ほど。家賃が9万円ほどのため、年金だけでは生活が厳しくなります。
「働かないと。年金だけだと家賃と光熱費を払えるかやっとくらいなんで。生活費は働いて。働かなくちゃダメ。働けるうちは」
■元証券マン「サラリーマンを続けていれば…」
スーパーで買った弁当を片手に、夜道を一人歩く男性。
年金受給者(88)月約10万円
「(Q.年金ってひと月おいくら?)10万ぐらいだよね」
「(Q.足りている?)足りないよ、足りるわけないじゃない」
そう話す88歳の男性。8年前に脳梗塞(のうこうそく)で入院して以来、かさんでいく医療費の負担に頭を悩ませています。
「このところ調子悪いから、こんな歩き方になっちゃったんですけど」
そんな男性は昔、証券会社のサラリーマンでした。
「証券会社。やっぱり株式っていうのは大変でしょう。上がったり下がったりして」
しかし、30代後半で父が営んでいた、有楽町の定食店を継ぐことになったといいます。
「サンマ焼いたり、サケ焼いたり、野菜炒め作ったりとかね。でももう辞めてから忘れました」
男性は今でも、サラリーマンを続けていれば厚生年金ももらうことができ、少しは楽な生活ができていたのではと後悔しています。
「(Q.続けたかったという後悔は今でもある?)そうですね。定年までいたかったなと思いますよね」
■「お医者へもうちょっと早く行っておけば」
2番目に多かった後悔は、家族について。
年金受給者(77)月約6万円
「20年くらい前に妻とちょっと、色々あって別れたことが(後悔)。ほとんど、女房に任せちゃってたから。やっぱりなんでも、2人で協力しないとだめだね 自分はまだ働いているけど、もう働けなくなったら終わりだなと。国民年金だから」
妻と別れたことを悔やむ人がいる一方で…。
年金受給者(78)
「最大の後悔はね、カミさんと一緒になったこと。あんなに変わると思わなかったもん、人間。前は『お父さん、お父さん』今はね『あんたまだいたの?』って感じだもんな」
と言いながら、感謝の言葉も…。
「(奥さん)金銭面の方はしっかりしていたね。だから今、こうやっていられるんじゃないかな」
「(Q.だけど愛していらっしゃるから末永くね)まあ、だろうね…。どうも、ありがとう」
3番目に多かった後悔は、若いころの勉強について。
年金受給者(70)月約10万円
「やっぱりちゃんと勉強しとけばよかったなっていう」
中でも多かったのが…。
年金受給者(82)月約10万円
「(Q.特にどういう勉強をしておけばよかった?)語学かな」
「(Q.英語とか?)そうそう」
4番目に多かった後悔は、健康について。
年金受給者(83)月約15万円
「お医者へもうちょっと早く行っておけばよかった」
そう話すのは79歳まで清掃の仕事をしていたという女性。
「腰はね仕事している時も痛かったけど、こんなに痛いわけなかった、仕事ができたんだから。MRI撮ったら狭窄(きょうさく)症っていうの。大体このぐらいの腰の骨があるんだって、それが下から4番目くらいがいくらかこうつぼまってる」
腰だけでなく、首の骨も同じ症状だといい…。
「もうちょっとね早くね、(病院に)行っていれば、こんなあれはなかったんだろうけど」
病気の治療にかかるお金の負担に悩む人も。
年金受給者(84)月3万9000円
「病気。私はめまいがするんですよ、よく。3月も1カ月病院に入っていましてね。病院に入るっていうのはやっぱりお金が、いろんな検査とかCTとか色々、検査をすると高くなりますからね」
入院費や検査代に加え、日々の薬代も生活費を圧迫するため、値引きで安くなったものを選ぶようにするなど節約生活を送っているといいます。
「(Q.薬も飲まれている?)私は今、10錠朝飲んでいます」
■年金4万円 40%引き弁当を冷凍
健康に気を遣っていればという後悔は他の人にも。
年金受給者(75)月約4万円
「(Q.暑くなりましたよね)暑いなんてもんじゃない」
暗い部屋に招き入れてくれたこちらの男性。足立区に50年以上住んでいる75歳の男性です。5年前から仕事ができなくなり、現在は月4万円の年金で生活しています。
「ある程度歳きてから大変な仕事をしていたから、もう両足壊しちゃったんだよ」
「(Q.これ真っ暗ですね)テレビの明かりで十分じゃん」
「これ安かったから弁当買ってきて」
「(Q.40%引き。何のお弁当ですか?)これ天ぷら弁当」
「(Q.冷凍にしている?)そう。冷凍にしている。そうすればいつでも食べられるじゃん」
切り詰めた生活をする男性が何度も口にしたのは、健康に関する後悔と不安でした。
「自分はポリープができやすい体質なんだよね。2~3日前からめまいがするっていうのがよく出てくる」
長年トラック運転手として身を粉にして働いた男性ですが、今は体の至るところに不調をきたしているといいます。
「診療で全部(年金が)食われちゃうでしょう。だから私は最終的には福祉の世話になっているけど、福祉の世話にならない限り食っていけない」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年6月16日放送分より)
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