健康を意識して食事の時に「最初に野菜を食べた方がよい」とする記述が、厚生労働省の資料から削除されました。「効果はなかったのか?」など臆測が飛び交っています。
■厚労省「肯定も否定もしない」
街の人
「研究結果が覆されたということですか」
「あんなにやってきたのに。あんなに頑張ってきたのに」
「今もまさにしてきたんですよ」
20日に街で聞かれた驚きの声の数々。その訳は、厚生労働省が公開した長い資料「食事摂取基準(2025年版)」の報告書についてです。なんと473ページにも及びます。
食事に注目し、健康や生活習慣病を予防するための栄養素の摂取量などがまとめられていて、5年ぶりに改訂されました。
糖尿病について、食事をとる時間や組み合わせに言及していた項目が削除。そこには、これまでこんな研究報告が記されていました。
食品摂取基準(2020年版から)
「食物繊維に富んだ野菜を先に食べることで食後血糖の上昇を抑制し、体重も減少させることができることが報告されている」
野菜を先に食べてほしいという、いわゆる「ベジ・ファースト」。記載がなくなったことで、SNSで臆測が広がりました。
厚労省は、ベジ・ファーストの効果を認めなくなったということなのでしょうか?
厚労省の担当者
「研究報告を肯定も否定もするわけではない」
■専門家「きちんとエビデンスも出ている」
ベジ・ファーストの食事療法を行う糖尿病治療の専門医はこう話します。
梶山内科クリニック 梶山静夫院長
「非常に残念で。お金もかかりませんので、ちょっとした工夫でできる」
厚労省の削除に納得できないという医師。主張するのは、取り組みやすさです。
梶山院長
「まず野菜から食べていただいて、次におかず、そして最後にごはんを食べる。本当に簡単ですので、食べ方の改善に取り組んでいただきたい」
街で話を聞くと、いかにベジ・ファーストが浸透していたかが分かります。
30代
「炭水化物から始まると、血糖値が上がって良くないと聞いて。できるだけ上がらないように、野菜からスタートしています」
50代
「食べる順番は体重を気にするので、野菜とかGI値(血糖値の上昇度)が低いものから」
取り入れていた人たちが多いなかで臆測が広がったベジ・ファースト“削除”の意図について、厚労省はこう説明しています。
厚労省の担当者
「食事摂取基準は栄養素摂取についてまとめていて、関連していなかったので、今回削除した」
こう説明する厚労省ですが、ベジ・ファーストの研究結果をまとめた専門家はこう指摘します。
京都女子大学 今井佐恵子特任教授
「今回、2025年版は原理原則に戻られたというか、食事摂取パターンとか食べる時間とか、どういった食材がいいかは言及されなかった。(ベジ・ファーストが)否定されたわけではないと思う。きちんとエビデンスも出ていますので、安心して野菜から。ただ野菜だけってことではありませんので、おかずと最後のごはんも適量食べていただけたらと思います」
(「グッド!モーニング」2024年10月21日放送分より)