大湯都史樹(25)「国内モータースポーツをもっと身近に」 トップドライバーが語る夢と現状、そしてプライベートで残された“超課題” 【スーパーフォーミュラ&スーパーGT】

大湯都史樹(25)「国内モータースポーツをもっと身近に」 トップドライバーが語る夢と現状、そしてプライベートで残された“超課題” 【スーパーフォーミュラ&スーパーGT】

2024シーズン。スーパーフォーミュラとスーパーGT、2つの国内モータースポーツの最高峰カテゴリーに参戦し、注目を集めるドライバーがいる。

大湯都史樹(おおゆとしき)。北海道・札幌市出身の25歳だ。

2017年、地元・北海道でレースを始め、順調にステップアップ。2020年にはスーパーフォーミュラとスーパーGTのレギュラーシートを獲得した、期待のドライバーだ。

今シーズンはスーパーフォーミュラでは、VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING。

スーパーGTではTGR TEAM KeePer CERUMOと、両カテゴリーでチームを移籍してのスタート。

持ち味のアグレッシグな走りと一発の速さで、多くのファンを惹きつけている。

さらにSNSではサーキットやプライベートでの様子を積極的に発信。

レース界の“オシャレ番長”と呼ばれる一面も持ち合わせている。

スーパーGT開幕直前の4月11日。

都内での同行取材中に大湯がショップで購入したのは、白いキャップに黒いウエスタンハット、そしておもちゃのピストル?

取材陣には「オシャレ番長の謎行動」。

しかし、14日のスーパーGT開幕戦・岡山国際サーキットで、その買い物の理由が分かった。

「おはようございます」

先日買った白いキャップを被り、ファンの前に登場。

さらに。

場内セレモニーでチームが紹介される時には、ウエスタンハットとおもちゃピストルで、カウボーイに変身していた。

聞けば、レースごとに新しい服や変装グッズを買いに行くという大湯。

ファンへのサインや写真撮影はもちろん、時には自ら提案したゲーム大会まで。サーキットの至るところで精力的にファンと交流する姿があった。

大湯がここまで徹底してファンサービスする理由は、どこにあるのか。

「目に止まってくれたらいいなって、何かで。興味を持ってもらいたい。そこでレースに少しでも興味を持ってもらえたら先に繋がるんじゃないかなって思ってやっています」

そこには、国内モータースポーツの現状に対する大湯なりの想いがあった。

「僕が小さい頃に憧れていたので。もっと輝いて見えていた。最初のプロ初レースのときだったかな。何か今イチ自分がトッププロになったんだなっていう実感が持てなかった」

「やっていることはトッププロなんだけど、思っている景色と違って。このままでいたくないなというか、何か変えなきゃいけないなって」

大湯がトッププロとしてスーパーフォーミュラ、スーパーGTにデビューしたのは2020年。

ちょうど世界がコロナ禍の頃だった。

無観客のサーキット。

スタンドに駆け付けてくれるファンの熱量の大切さを痛感した。

もっと多くの人にこのスポーツを知ってほしい。その思いは人一倍大きくなった。

「F1は注目度が高いかもしれないけれど、別にドライバーのレベルっていうのはほぼ変わらないし、走っている車も十分F1に匹敵する車で僕たちは走っているから、知られていないだけだと思う」

「自分だけじゃなくてこの業界をもっと良く見せていきたい、もっとすごいことやっているっていうのをみんなに知ってもらいたいなって」

そんな想いを胸に、大湯はコースの上でも「らしさ」を発揮する。

スーパーGT開幕戦の決勝でファンを沸かせるオーバーテイク。チームを4位に導く活躍を見せ、監督もガッツポーズ。

5月4日、富士スピードウェイで行われた第2戦でもオーバーテイクを連発。チームも5位に入り、2戦連続ポイントを獲得した。

「このレースの面白さや興奮を伝えていきたいなと思うし、それをするにはある程度結果も大事だし。これからも大湯都史樹、頑張ります」

『日本のモータースポーツだってスゴいんだ』

そんな熱い思いを秘めて、大湯は走り続ける。

(映像提供:JRP・GTA)

FNNプライムオンライン
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