春節目前!変化する中国人観光客【スーパーJチャンネル】(2024年2月9日)

春節目前!変化する中国人観光客【スーパーJチャンネル】(2024年2月9日)

 中国の大型連休「春節」が10日に本番を迎えるなか、すでに日本にも多くの観光客の方が訪れています。ただ、以前のように団体で爆買いする姿ではなく、大きな変化が起きているようです。

■移動客であふれる上海の駅

 上海の駅には、とんでもない数の人たちが押し寄せています。過去最多となる延べ90億人の大移動。中国の旧正月「春節」が10日から始まり、8連休に突入します。街中が祝賀ムードに包まれています。

 新型コロナウイルスが5類に移行してから初めての春節。日本への旅行に“異変”が起きています。これまで中国人観光客に人気の旅行先といえば、浅草など東京の有名な観光地でしたが大きな変化が…。

■過熱する「氷雪経済」ニセコ大人気

 中国人向けに日本旅行を手配している東日本国際旅行社では今、北海道旅行の問い合わせが殺到しています。2月のツアー予定はすでに200人くらいの予約が入っています。60%の予約は北海道だそうです。

東日本国際旅行社 謝善鵬社長
「例年の東京、大阪メインに変わって北海道のニセコが人気がある」

 春節の旅行先で爆発的な人気となっているのが北海道です。

 特に世界に誇るウィンターリゾート「ニセコ」への旅行を希望する人が急増。9日、ニセコのスキー場に問い合わせると、実際にスキーを楽しむ中国人客が増えているといいます。

 実は今、中国では空前の「ウィンタースポーツブーム」が巻き起こっています。中国では2年前に地元で開催した冬季オリンピック以来、「氷雪経済」が過熱しています。

■団体ツアーから「富裕層向け」に

 日本を訪れる中国人観光客たちの傾向にも変化が。コロナ前には団体ツアーが目立っていましたが…。

東日本国際旅行社 謝善鵬社長
「今年の春節も個人旅行がすごく増えてきている。弊社の場合は90%以上が個人観光。富裕層のお客様が増えてきた」

 富裕層の個人旅行。8日は北海道ニセコの宿泊客11人で540万円の売り上げがあったといいます。ニセコ旅行の富裕層からは「スキーを楽しむために、たとえ金額が張っても中国語が話せるインストラクターを探してほしい」「スキーの後に、おいしいカニ料理が食べたい」と細かいオーダーが…。

 ニセコでは中国人の団体客が減った分、富裕層をターゲットにした戦略も。

倶知安観光協会 鈴木紀彦事務局長
「今の時期、中国から来る人も増え始めているので、スーパーマーケットでは品ぞろえが変わってきている。高級食材と呼ばれるウニ、カニが店頭にも多く並んでいる」

 ニセコのホテルでは、春節の時期の予約が他の外国人客などで早々に埋まってしまうため、中国人客の予約を断るケースも出ているといいます。

■かつての爆買いから“一点買い”に

 春節に沸く中国。ただ、一般市民の懐は寂しいようです。

帰省する人
「今年はボーナスがありませんでした」

仕事に行く人
「アルバイトをしに行きます。少しお金を稼ぎたいから。生活費を稼ぎたいです」

 中国人観光客といえば、かつて日本での「爆買い」が話題に。ただ、コロナ禍を経てお金の使い方も変わってきています。

 9日、外国人観光客から絶大な人気を誇る東京・浅草の「かっぱ橋道具街」に行ってみると、6日間の日本旅行を楽しむ中国人観光客が。

 旅の予算を聞くと、日本円で40万円ほどだといいます。その使い道は…。

中国から来た人
「テイラー・スウィフトのコンサートを見に来ました。後は宿泊と食事ですね。観光にはあまりお金がかかりません。ブランド品も買っていません」

 包丁専門店によりますと、中国人観光客の買い物は「爆買い」から「一点買い」に変わってきているといいます。

包丁専門店「かまた刃研社」 鎌田晴一社長
「以前は(包丁に)漢字の名前を彫ることはあまりなかった。特に日本ではなじみのない、中国の簡略された漢字とかあまり日本人が見たこともない漢字を彫ることも多い」

 春節が始まる10日からはどんな光景が見られるのでしょうか。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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