一室だけ散乱“ゴミ屋敷予備軍” 「運ぶのがツラい…」高齢者実態 自治体で対策も…利用増えず

一室だけ散乱“ゴミ屋敷予備軍” 「運ぶのがツラい…」高齢者実態 自治体で対策も…利用増えず

「イット!」が訪れたのは、東京都内の88歳の女性の自宅。
一見、片付いているように見えるが、ひと部屋がごみで埋まっている“ごみ屋敷予備軍”だった。

あるネット調査によると、ごみ屋敷問題を抱える人のおよそ7割は、60代以上。
さらに、その特徴として最も多く挙げられているのは、1人暮らしの人だという。

ごみ屋敷となるのをどう防げばよいのか、追跡取材した。

午前7時ごろ「イット!」取材班が東京・新宿区で出会ったのは、手押し車でごみを運んでいた91歳の男性。

金網にしっかりとつかまり、集積所にごみを投げ入れていた。

男性(91)「大変だよこれ。歩けないんだから」

では、この男性、“ごみ屋敷予備軍”なのだろうか。

自宅に同行させてもらうと、室内は片づいているご様子。
しかし、食器棚には、総菜などのプラスチック容器が大量に並んでいた。
これは、ごみなのだろうか。

男性(91)「いい(容器)のだったら、取ってあれは使うんよ」

男性は、食器として再利用することで、ごみ捨ての機会を減らしているという。

しかし、誰もがこうした工夫で、部屋をきれいに保てるわけではない。

女性(88)「(ごみ捨てが)つらいのよ。腰から足にかけて痛いもんだから」

「ごみ捨てがつらい」と語る88歳の女性。
2DKの部屋に1人で暮らしているという。

女性(88)「(ごみ捨てが)おっくうなんだわね。出しに行くのがおっくう」

それでも部屋は片づいているように見えるが、隣の部屋には…。

女性(88)「ごみの山。主人が死んでから、片づけようがないのね。全部捨てられないから置いてある」

部屋を埋め尽くす、ごみの山。
数年前に夫が亡くなり、1人暮らしとなってからは、使わないテーブルや段ボールなどを捨てるのも難しくなったという。さらに…。

女性(88)「フリーマーケットに1,000円でもいいから持って行きたい」

誰かの役に立つのではないかと、もったいないという気持ちがあるという。しかし…。

女性(88)「暖かくなったらやろう、お正月になるからやろうと思ってても、どこで踏ん切りつけていいかわからないのよ。気は強いんだけど、体がきかないね」

女性が住む新宿区では、85歳以上で1人世帯の人などを対象とした、ごみの訪問収集を行っている。

しかし、区内の対象者数に対し、利用者は少ないのが現状だという。

新宿清掃事務所・菊水圭一さん「ご高齢の方でも、まだ自分でごみ出せるからとか、(制度は)使わないよって方も結構いらっしゃる」

女性は今回の取材をきっかけに、訪問収集サービスを区に申請。
少しずつ部屋を整理したいという。

FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/

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