ガザの大学生「北部に戻る人も」 食料・インフラ遮断 人道危機迫る(2023年10月17日)

ガザの大学生「北部に戻る人も」 食料・インフラ遮断 人道危機迫る(2023年10月17日)

 イスラエルとハマスの大規模衝突で少なくとも100万人以上の住民が家を追われたというガザ地区。今、どのような状況なのか現地に住む大学生に話を聞くことができました。

■「早く帰りたい」人質女性の映像

 カメラに向かって話す1人の女性。イスラム組織「ハマス」の軍事部門が16日、SNSで公開した映像です。

 ハマスが公開した人質とされる女性:「ミア・シェムです。ショハム出身の21歳です。今はガザにいます」

 女性はヘブライ語でミア・シェムさんだと名乗り、イスラエル中部出身の21歳だと話しています。7日にハマスが仕掛けた無差別の奇襲攻撃。ハマスはこの女性が、その際に連れ去った人質の1人だとしています。

 ハマスが公開した人質とされる女性:「土曜日の早朝パーティーから戻るところでした。腕にひどいけがをしました。彼ら(ハマス)にガザに連れていかれました。病院で3時間、手術をしてくれました。世話をしてくれて、薬ももらいました。何も問題はありません。今は早く家に、親、兄弟の元に帰らせてほしい。お願いだから早くここから出して下さい」

 ハマスの軍事部門は人質の健康管理もしているとして、けがの手当てをする様子も合わせて公開しました。CNNの取材に応じた女性の家族は…。

 ミア・シェムさんの母親:「今まで生きているのか死んでいるのかも分かりませんでした。娘を取り戻してくれるよう世界中にお願いします。まだ21歳なんです。健康にも問題があります。ただ楽しみに行っただけなんです」

 イスラエル軍はSNSで、この女性がハマスに拘束されていることを認めたうえで、ハマスは自らを人間的に見せようとしているが恐ろしいテロ組織だと批判しました。

 さらに、これまで155人だとしてきた人質の数が少なくとも199人に上ると新たに発表しました。その人質にはアメリカ人など外国人も含まれています。

 アメリカ ブリンケン国務長官:「水曜日にバイデン大統領がイスラエルを訪問します。イスラエルやこの地域、世界にとって重要な瞬間に(イスラエルに)来ることになります」

■ガザの大学生「北部に戻る人も」

 国連パレスチナ難民救済事業機関は、この1週間でガザ地区の少なくとも100万人が家を追われたと明らかにしました。イスラエル軍はガザ北部の住民に対し、繰り返し南部に避難するよう勧告。南部は避難してきた人たちであふれ返っています。

 現地はどのような状況なのか、南部に住む大学生に話を聞くことができました。

 大学生 ムハンマドさん(24):「先の見通しは全く立ちません。何が起こるのか分かりません。(イスラエルは)一定の地域に人を閉じ込めようとしている。たくさんの人が1つの家に身を寄せているので今、南部で占領軍がどの家を空爆してもたくさんの死者が出ます」

 再び北部に戻る住民もいると言います。

 大学生 ムハンマドさん:「ビラで避難勧告を受けた北部の住民が南部に避難していたが、けさから占領軍に対抗するため(北部に)戻っていきました。自分たちの家からは出ていかないとしています」

 イスラエルがガザ地区への水や食料、電力などを遮断するなか、アメリカはエジプトからの人道支援物資の搬入について協議を進めています。ただ、16日時点でエジプトはイスラエルが検問所の通過を許可していないとしています。16日にはその検問所で爆発も起きています。ホワイトハウスの高官は、バイデン大統領の訪問について「一刻も早く人道支援を始めることが主な議題」だとしています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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