発がん性疑い『PFAS』各地で検出 自然界で分解されず“永遠の化学物質”とも 人体への影響は?

発がん性疑い『PFAS』各地で検出 自然界で分解されず“永遠の化学物質”とも 人体への影響は?

 発がん性の疑いが指摘されている物質「PFAS(ピーファス)」。近畿各地の河川などで検出されています。人体への影響は……。

 綾部市民
 「自然のものではないものが流れてくるのは、気分がいいものではない」
 「小さい子どもの方が、より今後にわたって影響が大きくなっていくので親御さんとしては心配されているのでは」

 近隣住民らに広がる健康不安。その理由が、発がん性が疑われる「PFAS」です。

 「PFAS」とは、フライパンのフッ素加工などに使われていた有機フッ素化合物の総称で、このうち一部の物質で有害性が指摘され、日本では2021年までに製造や輸入は禁止されています。

 自然界ではほとんど分解されないことから「永遠の化学物質」とも呼ばれる「PFAS」を巡り、京都府綾部市で気になる動きが。

 神田貴央記者
 「川のこの場所では、基準の50倍以上の化学物質が検出されたということですが、色に変化はなく、変な匂いもありません」

 先月、府が綾部市内を流れる犀川や支川の天野川の水質を検査したところ、最大で1リットルあたり約2800ナノグラムの「PFAS」が検出されました。

 これは、国が「一生にわたり毎日2リットル飲み続けても、健康に影響がない」とする目標の約56倍にあたります。

 天野川の上流には産業廃棄物の埋め立て処理場があり、市はこの事業者が放流する水が原因とみています。

 水のろ過に使う活性炭が劣化していた可能性があり、20日までに活性炭を交換したということです。保健所は、改めて事業所から放流された水を採取し、水質の再検査を行っています。

 市は水道水は安全だとしつつも、井戸水を飲むことは控えるよう求めています。

 また、市の職員は20日、地元自治会の会合に出席し、住民に状況を説明したうえで、井戸水への水質調査への協力を依頼したということです。

 この発がん性が疑われる物質、実は各地で確認されています。

 牧野天稀記者
 「明石市の明石川で、高い濃度の有機フッ素化合物が検出されたということです」

 環境省が発表した2021年度のデータによると、明石川の取水口付近では、国の目標値のおよそ3倍の「PFAS」が検出されました。

 これを受け兵庫県明石市では21日、丸尾兵庫県議が、市民の血液検査の実施や汚染除去などの対策を求める意見書を提出しました。

 兵庫県議会 丸尾牧議員
 「国にきちんと工場排水とか、産業廃棄物処分場からの排水の規制がない。そこに規制をかけないと垂れ流しが続いていく」

 さらに、大阪府摂津市でも去年8月、市内の地下水から目標の420倍にあたる「PFAS」が検出されました。

 実はこの付近には大手空調メーカー「ダイキン」の淀川製作所があり、1960年代から2012年まで有害性が指摘される物質を製造・使用していたとしています。

 調査や対策を求める市民団体によると、工場の周辺に住む23人の血液を専門家とともに調べたところ、14人から成分が検出されたということです。

 各地で広がる「PFAS」の健康への不安……専門家は。

 京都大学 原田浩二准教授
 「血液中の『PFAS』濃度の高い人と低い人を比べると、『PFAS』濃度の高い人たちで、特定の病気へのなりやすさが上がっている。がんの中でも腎臓がんと精巣がんのなりやすさが、やや上昇するのではないか」

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