放出開始で中国が“禁輸措置”処理水で日本批判なぜ?(2023年8月24日)

放出開始で中国が“禁輸措置”処理水で日本批判なぜ?(2023年8月24日)

 福島第一原発の処理水の放出が24日に始まりました。安全基準を満たした放出ですが、韓国や中国からは批判の声が上がっています。

 午後1時3分にポンプが起動し、大型水槽にためられていた処理水が海底トンネルを通じて約1キロ先の海底から放出されました。

 政府は科学的に安全と確認されたもので処理水に含まれる放射性物質のトリチウムについてもIAEA(国際原子力機関)の基準を大幅に下回っていることを改めて強調しました。

 西村経済産業大臣:「IAEAも現場での独自の分析により、放出されるALPS処理水のトリチウム濃度が(基準である)1500ベクレルよりはるかに低いことを確認している」

 基準の1リットルあたり1500ベクレルに対し、希釈した濃度が最大63ベクレルだった処理水。科学的に安全が証明されたにもかかわらず、中国からは強い非難が…。

 中国生態環境省:「日本政府は人類の幸福より、自らの利益を優先した。極めて身勝手で無責任だ」

 また、放出後に中国政府は一時的な措置として日本産の水産品を全面的に輸入を停止すると発表しました。韓国でも連日のように抗議デモが行われる一方で、政府は科学を信じてほしいと国民に対して処理水放出へ理解を求めていました。

 しかし…。

 韓国の警察関係者によりますと、左派系の市民団体に所属する大学生ら16人が抗議集会の後に乱入したといいます。しかし、処理水の海洋放出は日本だけが行っているわけではありません。近年でもフランスやイギリス、そして中国、韓国も日本より高濃度の処理水を海洋に放出しているのです。

 それなのに、なぜ日本だけが強く非難されるのか。そして、国内外のメディアが漁業や農業従事者、消費者への不安を伝えるなか、風評被害を生まないためにはどうすればいいのか。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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