摩天楼がオレンジ色に…カナダ山火事で広がる大気汚染で健康被害も NYから記者報告(2023年6月8日)

摩天楼がオレンジ色に…カナダ山火事で広がる大気汚染で健康被害も NYから記者報告(2023年6月8日)

カナダで起きている大規模な森林火災が、世界最悪レベルの大気汚染を招いています。  

100を超えると健康被害の有無につながるといわれる大気汚染の指数。7日午後5時、アメリカ・ニューヨークは5倍近い484という値でした。直近でこのレベルの大気汚染が観測されたのは、60年以上前だそうです。空はオレンジ色にかすみ、街中が暗くなっています。
市民:「世界の終わりのようで薄気味悪い」
市民:「こんな空、見たことないです」
市民:「マスクが必要なほど大気汚染がひどく、健康に悪影響だといわれています。以前、住んでいた上海もひどかったけど、これほどではなかったと思います。ぜんそく持ちなので、念のため吸入薬も服用しました」

現在、カナダ全国合わせて400件を超える火災が発生中。その250近くが“制御不能”。つまり、鎮火の目途すら立っていません。1年分の山火事に相当する焼失面積に、この1カ月で達したそうです。

大気汚染に最も影響を与えているのが、ニューヨークの北東1000キロほどにあるノバスコシア州の火災。日本時間8日午後2時半ごろの大気の流れと汚染濃度を可視化したものを見ると、北に流れているノバスコシア州付近の気流は、南西方向に流れる別の気流と合流し、南下しています。この流れに大量の煙が運ばれ、ニューヨークに集中したとみられます。

特に注意が必要なのは、子どもや高齢者です。
ニューヨーク大学・カラバノス教授:「怖いのは、煙を吸うだけでなく、大量の大気汚染物質を吸い続けていることです。特に呼吸器疾患を持つ子どもにとっては深刻で、呼吸器官の発達が阻害されかねません。慢性の呼吸器疾患のある高齢者にも“ダブルパンチ”となります」

ニューヨーク市は、外出を控えるよう呼び掛け、公立学校は、屋外での活動が中止となりました。空港では一部航空便の運行が停止。メジャーリーグでは、2試合が延期されました。
ニューヨーク・アダムス市長:「今晩からあす朝には、一時的に回復すると見込まれます。ただ、煙が市の上空に戻ってくるため、8日午後から夕方にかけて、再び大気状態は悪化するでしょう」

大気汚染指数は、2日連続で400を超える予報です。

◆ニューヨークから鈴木彩加記者の報告です。

いつもなら、きれいに見通すことができるタイムズスクエアですが、きょうは、薄く、かすみがかった状態となっています。きのうに比べると、視界は良くなっていますが、マスクをしていても、何かが焦げたような匂いが町中に広がっているように感じます。

ニューヨーク市は市民に対し、きょうも引き続き「なるべく家にいてください」、外に出る場合は、疾患があるかどうかにかかわらず「マスクをしてください」と呼び掛けています。

地元メディアによりますと、きのう、ある病院では、肺に疾患がある患者の来院数が通常の2倍に増えたということです。

街の人に話を聞きますと「博物館も閉まって、イベントも中止で、家にいてくださいと。まるであっという間にコロナに戻ってしまった」と残念そうに話をしていました。

(Q.カナダの山火事は続いているので、今後のニューヨークの大気汚染は続くということでしょうか)
地元当局によりますと、この大気汚染は、数日間は続く見通しだということです。市内の一部の空港では、今朝から引き続き、着陸を一部制限していますが、このあと状況が悪化すれば、周りの空港に影響が広がる可能性があるとしています。

きのうも、青空も広がっていたのですが、わずか数時間の間に町が一変しましたので、このあとも引き続き、警戒が必要となります。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
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