11日は東京で気温がぐんぐん上昇しました。今年2回目の夏日となりましたが、気になるのがモンゴルで発生した大規模な砂嵐です。この砂嵐は黄砂となって12日、日本に大量に飛来してくる可能性が懸念されています。
■北海道に春!桜前線ついに到達 夏日続出
桜前線は北海道にやってきました。桜名所100選でもある北海道松前町。町が桜の開花を発表しました。
各地、季節外れの陽気となりました。全国一の暑さとなったのは富山県。気温28.1℃の夏日となり、本州では今年の最高気温を更新しました。強い南風の影響で今年一番の暑さとなった列島。全国的に初夏の陽気となり、福島も今年初夏日です。
今年初の夏日となった金沢。この暑さもあり名物「金箔(きんぱく)ソフト」に列ができていました。
■カメラレンズも砂まみれ 日本に黄砂“襲来”
季節外れの暑さから一転、12日に心配が必要なのが「黄砂」です。中国・北西部で撮影された映像。空高く舞い上がる砂嵐。まるで、壁のようです。視界は砂で遮られ、ドライブどころではありません。モンゴルで発生した砂嵐はやがて黄砂となって中国の都市部に飛来。影響は続いています。黄砂が通り過ぎると、「故宮」もすぐに砂だらけに…。
■中国“厳戒” 遊園地も営業停止に
首都・北京は厳戒態勢です。北京では黄砂に対して警報を発令。屋外での集会など控えるよう呼び掛け。さらに、視界が悪いため車はスピードを落としての運転が求められています。黄砂による大気汚染も深刻です。汚染レベルはマックスに達していました。そうしたなか、なぜか外に出て踊る女性…。
北京市民:「私は一日たりとも休まないで体を鍛えている。こんな天気の時はマスクを二重にしている。黄砂の時だけ。普段はしていません」
■北京市民も驚く“青い太陽現象”
黄砂がひどすぎて、珍しい現象も起きました。太陽が、青く見えます。大気中に舞う砂で光の反射が変わったことが原因だとみられています。
北京市民:「(Q.今年は特に黄砂が多い感じ?)はい。もう外に出るのをやめようかと思った」
北京市民も異例だというこの黄砂。気象衛星もキャッチ。風に乗って茶色い黄砂が日本列島に流れていく様子が分かります。気象庁は黄砂は12日、日本に飛んでくる可能性があると注意を呼び掛けています。
■「除雪と一緒」 2年前の“惨事”
日本で黄砂といえば、思い起こされるのは2年前。美しい景色が自慢の北海道函館山。大量の黄砂で、五稜郭タワーもぼんやりです。大きな被害を受けたのが車の販売店でした。車体に大量の砂が被り、業者はひっきりなしに洗車に追われます。
自動車販売業者:「定期的に(洗車している)。除雪と一緒。(黄砂が)降ったら洗い流す。その繰り返し。(砂が積もると)商品価値を著しく下げてしまうので」
■汚染物質も…列島広範囲被害か
黄砂が観測されたのは東京でも…。ひとたび飛来すると各地で大きな影響をもたらす黄砂。ただ、今回、2年前と大きく違うのが黄砂の規模です。
聖路加国際大学大学院・公衆衛生学研究科、大西一成准教授:「黄砂の濃度が高い。大陸の大気汚染物質も一緒に飛んでくる」
さらに、広い範囲で列島がすっぽり。異例の濃度の黄砂にどう備えれば良いのでしょうか。
そもそも黄砂は、なぜ発生するのでしょうか。発端はモンゴルで発生した砂嵐とみられています。これが偏西風に乗って中国大陸を横断。さらに、12日から13日にかけて日本列島をすっぽり包み込む勢いです。
専門家は警戒を強めています。
聖路加国際大学大学院・公衆衛生学研究科、大西一成准教授:「おととしの黄砂と比較すると、(今回)中国大陸で発生した黄砂の濃度が高い」
濃度が高い理由の一つだと専門家が指摘したのが、中国での降水量の少なさです。本来、雨で落とされるはずの砂が大量に残ったことで、日本の広い範囲にまで飛んでくるのだといいます。心配されるのが「健康への被害」です。
聖路加国際大学大学院・公衆衛生学研究科、大西一成准教授:「大陸の大気汚染物質も一緒に飛んでくる。目・鼻・皮膚などが荒れる症状。それから呼吸器への影響が報告されている」
特に花粉症の人はダブルで注意が必要です。黄砂の飛来が予想される地域ではなるべく外出を控えること。家では窓を閉めて黄砂を部屋に入れないようにしてほしいということです。
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