【報ステ解説】W大阪で勝利・奈良初の“維新知事”「全国政党化」どう進める(2023年4月10日)

【報ステ解説】W大阪で勝利・奈良初の“維新知事”「全国政党化」どう進める(2023年4月10日)

4年に一度の統一地方選挙、前半戦の投開票が9日に行われました。目立ったのは“維新の躍進”です。

大阪では、下馬評通り市長・府知事ともに“大阪維新”が勝利しました。吉村知事は、次点に200万票以上の差をつけ、過去最多得票での圧勝です。
維新・吉村洋文大阪府知事:「実は大阪でやっている改革は、全国でも通用するんだと、全国的に少しずつ認知され始めた。僕は自民党と対峙する政党に成長すると思っています」

同じ近畿の奈良県知事選。高市大臣が会長を務める自民党奈良県連推薦の新人と、これまで自民党が支援してきた現職。保守系候補が分裂するなか、その間隙を突いて当選したのは、維新の会の新人・山下氏でした。大阪以外で、維新の公認候補が知事の座を射止めたのは初めてのことです。
維新・山下真奈良県知事:「“自民分裂”の影響が大きかったことは否めない。やっぱり維新の組織力、維新支持層を固めきれた。そういうことも今回の結果につながったんじゃないか」

躍進は、関西圏に留まらず、神奈川、埼玉といった首都圏や、北海道、福岡などの、道議会・県議会でも、今回、初めて議席を獲得。同時に、発祥の地でも手堅く地盤を強化。大阪府議会・市議会ともに過半数を取りました。そんな戦いぶりを背景に、馬場代表からは、気になる発言が出ました。
維新・馬場伸幸代表:「公明党さんとの関係というのは、一度、リセットをさせていただく」

維新は、これまで公明党が議席を持つ関西の選挙区では候補者の擁立を見送り、直接対決を避けてきました。馬場氏は、こうした選挙協力をリセット、見直すことを示唆。次の衆議院選挙で、公明党から議席をもぎ取る可能性に言及しました。

関係を「リセット」すると告げられた公明党。
公明党・山口那津男代表:「我々としては、引き続き、是々非々で維新に対応していくつもりでありますが、維新の皆さんがどうされるのか、注目していきたいと思います」

自民党は「分析が必要」と警戒モードです。
自民党・茂木敏充幹事長:「関西圏での体制の立て直しという課題も改めて明らかになった。今回の結果もよく分析して、特に大阪においては、抜本的な改革案の検討が必要だと考えている」

地方選での躍進は、次期衆院選や、その先の“野党第1党”争いをも占う材料に。
立憲民主党・大串博志選対委員長:「維新の皆さんが勢いがあるのは客観的事実ですけれども、私たちもこれから勢いをさらにつけて、後半戦、戦っていきたい」
共産党・小池晃書記局長:「今の自民党政治に対する閉塞感みたいなものが、維新に対する評価につながった面もあるのかもしれません」
国民民主党・榛葉賀津也幹事長:「近畿を中心にどれぐらい、今後、維新が伸びてくるのか。前原代表代行とも意見交換しながら、我々も分析をしていきたい」

◆ABCテレビの選挙担当・尾崎文康キャップに聞きます。

(Q.奈良県知事選ですが、大阪以外で初の維新公認知事誕生となりました。維新としては重要どころを制したといいうところですね)
おっしゃる通りだと思います。維新は、組織をあげて奈良知事選に期待の目を向けていました。会心の勝利といえると思います。

維新という政党の成り立ちというのは、もともと、首長がつくった政党です。首長のパワーというのを非常に熟知しています。まず、首長ポストをとり、自分たちのやりたい改革、例えば、身を切る改革、財政再建など、知事の立場から具体的に形にしていく。それを住民に見せることで、しっかり支持を浸透させていくことが、維新のなかでいわれる“首長戦略”という考え方です。その点でいいますと、奈良のポストは欲しかった。奈良というのは、大阪に通勤している人が多く“奈良府民”ともいわれます。潜在的に維新の共鳴する方が多いとみられていましたので、維新は、虎視眈々と奈良県知事のポストを狙っていたと感じます。

今回の統一地方選挙で争われた41の道府県議会選挙のうち、18の道府県で、維新の会の公認候補が当選しました。関西以外の議会では、北海道、神奈川、福岡など、党として初めて議席を獲得する自治体も多かったです。議席数は、18の道府県で合わせて124議席で、ほぼ倍増しました。

(Q.維新の松井前代表は番組に出演した際、「全国に根を張る政党でなければダメだ」と言っていました。その意味で、今回の躍進はどうとらえていますか)
これは非常に大きな意味があると思います。馬場代表は、『ホップ・ステップ・ジャンプ』という言葉を使います。去年の参院選が『ホップ』。今回の統一地方選がステップ』。そして、来るべき衆院選で『ジャンプ』、野党第1党を狙うという冷静な戦略を立てています。この統一選では、全国で600の地方議員を誕生させると。この地方議会で議員を作ることで、選挙の足腰を強くする。野党第1党を目指すうえでは、非常に大きなステップで、手ごたえも感じているようです。ただ、維新として課題と思えるのは、大阪で非常に支持が強い分、どうしても外に出ていくと大阪の政党だと。「なぜ、大阪だけ維新が強いんだ」と冷めた目線を向けられるというのが維新にとって課題となっています。

ただ、今回、奈良知事選で象徴されますが、関西でじわじわと維新の改革が支持されている。浸透してきていると見えてきましたから、これを足掛かりにして、“全国政党化”を進めていけるのかどうか。かなり正念場を迎えていると思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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