【少子化フルリノベ】産む“選択肢”「卵子凍結」 健康な女性の間で広がる一方、浮かんだ課題とは?【news23】|TBS NEWS DIG

【少子化フルリノベ】産む“選択肢”「卵子凍結」 健康な女性の間で広がる一方、浮かんだ課題とは?【news23】|TBS NEWS DIG

産むための“選択肢”「卵子凍結」とは、「卵子」を凍結保存して、将来の妊娠に備えようというもの。これまでは病気やその治療によって、卵子が影響を受ける場合に行われていましたが、実は今、健康な女性の間でも「卵子凍結」が広がっているんです。

■私が「卵子凍結」した理由 産む“選択肢”

都内に住む本多麻子さん(38)。37歳の時に卵子凍結をしました。

本多さん
「2回採卵したので、そのたびに写真をもらったんですけど。これが私の卵子の写真です」

東京で一人暮らし。IT系企業にフルタイムで働き、結婚・妊娠・出産の経験はありません。そんな本多さんにキッカケが訪れたのは36歳の時でした。

本多さん
「久しぶりに一人暮らしになって、これからどうしようかなと、ちょっと立ち止まったというか。(妊娠・出産について)一生懸命答えを出そうとしても、その間に時間が経つと、なんかどんどん猶予がなくなっていくような、そんな焦りもあったので。卵子凍結をしたら、考える時間が少し延びるのかなって」

2回の採卵手術を行い、計21個の卵子を凍結保存しています。

本多さん
「焦りというものもなくなりましたね。卵子凍結をして、妊娠の確率が上がったから安心したのではなくて。どちらかというと、現実、これぐらいの妊娠率で、卵子凍結しても妊娠できるかもわからないし。ただ、そういったものにきちんと向き合ったことで、運を天に任せてみよう、そんな気持ちに楽観的になれたというか」

いま、本多さんのような健康な女性の間で、将来的な妊娠の備えとして「卵子凍結」を選択する考えが広がっています。

凍結卵子の保管サービスなどを行う企業が平日の夜に開催したオンラインイベント。

経験者から話が聞けるという内容で、30人以上の女性が集まっていました。

経験者(34)
「全員がやるべきとは全く思いません。やるかどうかは、その人の価値観次第だと思います。ただ、あの時に真剣に検討しておけばよかったと後悔することだけは避けてもらたらなと思います」

セミナー後、参加者に話を聞きいてみると・・・

セミナー参加者(41)
「採卵をするという時には通院するんですけれども。結構2~3日おきに半休・有給を会社に出すようになるんですね。そうすると結構大変」

セミナー参加者(34)
「例えば35歳で行ったとしても、(妊娠までに)120~130万円とかまで最終的にはかかってくるのかなって。かなりの負担としては大きく感じていまして、なので未だにちょっと検討している」

前向きに検討しながらも、経済的な理由から決断をためらうこともあるようです。

セミナー参加者(34)
「国や地方自治体からの補助があるともっと皆さん利用しやすいのかなというのが大きくあります。あとは、それぞれの収入に合わせた補助とかであれば、さらに平等にやっていけるのかなって」

■「卵子凍結」のその後を考える 「卵子凍結」は利用率15%

こうした中で、卵子凍結を推進するだけではなく、「凍結保存した卵子の利用を高めることも必要」だと卵子凍結の診療を行う橋本医師は指摘しています。

京野アートクリニック高輪では、2014年から2021年までの間に約400人に卵子凍結を実施。そのうち、凍結した卵子で妊娠するために再び受診したのは、約60人、15%だったといいます。

京野アートクリニック高輪 橋本朋子副院長
「マッチングというか、お相手が見つからないと、結局その卵子を使うところに至らないわけですよね」

一方で、ニューヨーク大学では、卵子凍結を行った543人中、332人(約60%)が卵子を利用したという調査報告(2004年~2020年)が発表されています。

京野アートクリニック高輪 橋本朋子副院長
「海外の利用率が日本よりも高いというのは、おそらく選択的シングルマザーというのが女性の生き方として、そういう選択肢がある。それを許容しているかどうかということが、大きいのかなと推測をしております。それを希望されても、日本では現状できないということになるわけなんですよね。ただ、そういう方たちは、卵子を凍結保存しても、使うという土俵に上れないですよね。果たしてそれでいいのかなという思いはありまして」

■30代女性の悩み 妊娠・出産か仕事か 「授かり方にも多様性を」

山本 恵里伽キャスター:
健康な女性で卵子凍結を選択する人が増えているようです。日本受精着床学会の調査によりますと2021年、都内17施設で健康な女性が妊娠・出産に備えて卵子凍結した件数は1135件。これはがん患者が治療の影響を避けるために行った136件と比べると8倍以上の数字になっているんです。

また調査を行った医師によりますと今年は4000件を超えるのではないかという予測も出ています。

卵子凍結を選択する理由について本田さんは
「考える時間をちょっと延ばしたい」とおっしゃっていました。

そして、実際に卵子凍結をした結果、「焦りや不安がなくなった。子どもを産みたくなった」と考えにも変化があったようなんです。

小川彩佳キャスター:
私の周り…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230406-6077521)

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