“反スパイ法に違反”中国で製薬大手社員の日本人男性拘束 日中の経済関係に影響は?【news23】|TBS NEWS DIG

“反スパイ法に違反”中国で製薬大手社員の日本人男性拘束 日中の経済関係に影響は?【news23】|TBS NEWS DIG

3月、製薬大手社員の日本人男性が中国当局に拘束されました。日本政府が早期解放を求める中、中国外務省は27日、男性が「反スパイ法に違反した疑いがある」と明らかにしました。

■「反スパイ法」違反で製薬会社の邦人が拘束

松野博一 官房長官
「邦人男性1名が中国の国内法違反があったとして、中国当局に拘束された旨の通報がありました」

政府は中国の北京市で、3月、日本人男性が中国当局に拘束されたことを明らかにしました。拘束されたのは「アステラス製薬」の50代の幹部社員。中国での勤務歴が長いベテランで、日中の経済関係に貢献した人物だったといいます。男性が拘束された理由について中国側は…

中国 外務省報道官
「この日本国民はスパイ活動に従事し、中国の刑法と反スパイ法に違反した疑いがある」

中国は2014年に「反スパイ法」を制定。スパイ活動の取り締まりを強化してきました。2018年には大手商社の男性社員が拘束されるなど、これまでに少なくとも17人の日本人が“スパイ活動”にかかわったとして拘束されました。

そのうち1人が病死。11人は刑期を終えるなどして帰国していますが、今回拘束された男性を含め5人がいまだ拘束されています。ただ、具体的にどのような行為が罪に問われたか明らかになることは一切ありません。

中国 外務省報道官
「本人はどのような違法行為をしたのかよく知っているはずだ。近年、日本国民の類似事件がしばしば発生している。日本は自国民に対する教育や注意を強化すべきだ」

「アステラス製薬」は「関係する皆様にご心配をおかけしております。外務省を通じて情報収集をしており、適切に対応します」とコメント。

政府は拘束された男性の早期解放を中国側に強く求めていくことにしています。

■中国で働く日本人の受け止めは?

小川彩佳キャスター:
製薬大手社員の拘束ですが、現地の日本人社会はどう受け止めているのでしょうか。

北京 立山芽以子 支局長:
中国で暮らす日本人の間では不安と動揺が広がっています。
ある企業の幹部は「拘束された方は中国での貢献が大きい方でもあり、ショックが大きい」と話したほか、日中関係筋は「このようなことが起きれば、中国に来たい日本人がいなくなる」と強い懸念を示しています。

日中関係をめぐっては、2022年、約3年ぶりに首脳会談が行われるなど、少しずつではあるものの改善しているようにみえていました。

また、先の全人代=全国人民代表大会で中国政府は中国経済を回復させるため、外国企業の誘致にいっそう力を入れることをわざわざうたっています。しかし、今回「外国企業を歓迎します」という言葉とは全く逆のことが起きたわけです。

中国で暮らし、経済活動をするうえでどのような行為が何の罪にあたるのかもわからず、いきなり身柄を拘束されるような国でビジネスを続けるのは、もはや難しいという声も上がっているほか、日中関係や人の往来に深刻な影響を与えるのではという悲観的な見方が広がっています。

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