【波紋】“移住者への提言”に賛否…住民から困惑の声も 福井・池田町

【波紋】“移住者への提言”に賛否…住民から困惑の声も  福井・池田町

「都会風を吹かさない」「品定めされることは自然」など福井県池田町の広報誌に掲載された“移住者への提言”に波紋が広がっています。住民からは「温かく迎えた方がいい」など困惑の声も。実際、池田町に移住してきた人はどう感じているのでしょうか。

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森林に囲まれた人口約2300人の町、福井県池田町。過疎化や少子高齢化が進む中、農業を中心とした町づくりなどを掲げて移住者を受け入れています。しかし、池田町が住民向けに発行している1月号の広報誌の内容で波紋が広がっています。

■池田暮らしの七か条

「これまでの都市暮らしと違うからといって都会風を吹かさないよう心掛けてください」

「『どんな人か、何をする人か、どうして池田に』と品定めされることは自然です」

移住した人向けに、集落での生活や行事、人間関係などについて「心得」を紹介している広報誌ですが、その中に、池田町内各地区の区長会の総意で決まったという“移住者への提言”が掲載されたのです。

池田町総務財政課・森川弘一課長
「移住者を排除するものではなく、『移住者と一緒に村づくりに取り組んでいこう』という思いがある。それなら、区長会の活動として広報していこうと」

池田町によると、この提言は去年12月、区長会の事業の一環として、移住者とのミスマッチやトラブルを防止するため、集落ごとの決まりを記す「暮らしのテキスト」とともに作成したということです。

池田町総務財政課・森川弘一課長
「集落内にもいろんなルール、決まりごとが昔から続いている風習があるので、そういうことを知らずに入ってくることがあるので、その時に『そういう話を聞いていません』と、積み重なると大きなトラブルに今後なるなと」

屋根の雪下ろしや草刈り、まつりごとの運営など、住民が協力しあうことの多い田舎暮らし。移住者との摩擦を防ぐためだという提言ですが、年間20人前後の移住者を受け入れる池田町の住民からは、困惑の声が上がっています。

池田町民(提言の肯定派)
「うち(の集落)にも(移住者)2人来たけど、行ってしまった。2年ほどいたかな。(移住支援金)もらって、仕事の場は別なので空き家になってしまう」

池田町民(提言の否定派)
「せっかく池田に来てくれた。温かく迎えた方がいいと思う。みんなが、そんなんではない。池田になじむ人もいる」

実際、移住してきた人はどう感じるのでしょうか。

同じ県内で約10人が移住してきた坂井市丸岡町竹田地区。7年前、横浜から移住してきた久富盛和さんは「横浜にいた時にこれ見て、ここに行くんだってなったら、ちょっと面食らう部分はある。言葉、文面としては厳しく書きすぎかな」と話しました。

移住者の受け入れを担当する人は――

竹田地区共栄会事務局・大門正悟さん
「説明不足だと、あとから『こんなはずじゃなかった』となるので、そこら辺は伝えておく部分は、きちんと伝えないといけない」

“持続可能な地域づくり”に期待される移住者へ、集落からの「提言」。池田町は七か条の提言について「移住者につらい思いをかけてしまっているのであれば、区長会では本意ではない」との考えを示しながらも「地域に沿ったもので修正はしない」としています。
(2023年2月13日放送「news every.」より)

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