【尖閣調査】中国海警局「固有領土」日本側に退去を要求する場面も

【尖閣調査】中国海警局「固有領土」日本側に退去を要求する場面も

沖縄・石垣市は尖閣諸島周辺で2回目となる海洋調査を行いました。調査中には、中国海警局の船が領海に侵入する場面もあり、海上保安庁の船と接近し、警告しあうやりとりが公開されました。

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尖閣諸島の南に位置する沖縄・石垣市では29日、市がチャーターした作業船が尖閣諸島に向け出港しました。作業船には中山市長の姿も見られました。

目的は東海大学に委託して行う島と周辺海域の調査。環境保全を目的としたもので去年1月に続き2度目となります。また、この日は、調査とは別に漁船4隻も漁のため尖閣諸島に向かいました。こうした日本の船を守るため、海上保安庁の巡視船も出港。

作業船は海洋調査などを行いながら尖閣諸島に近づきました。すると日没後の暗闇の中、レーダーが中国海警局の船を捉えました。業船や巡視船に接近してきたのです。そして「こちらは中国海警船団である。貴船は我が国の領海に侵入した。ただちに退去してください」と無線で警告がありました。

30日早朝、石垣市の作業船は、調査のため尖閣諸島に到着しました。

石垣市 中山義隆市長
「地図でみたら小さいですけども、そばで見ると本当に大きな島ですね。しっかりと守らないといけないなというふうに思いますね」

尖閣諸島は、石垣市の行政区域内にあります。調査では、初めてドローンを飛ばし、魚釣島の撮影も行われました。これにより、斜面の崩落がより深刻化していることがわかったといいます。

こうした調査を行っていると、中国海警局の船が視界にとらえることができる位置まで接近。島から離れるよう無線で警告してきました。これに対し、海上保安庁の巡視船は、“島は日本の領土”だと日本語と中国語で警告しました。

海上保安庁 巡視船
「 こちらは日本国海上保安庁、巡視船PL90である。尖閣諸島は日本の領土である。貴船の主張は受け入れられない」

中国海警局
「日本海上保安庁巡視船、こちらは中国海警局、貴船の主張は受け入れられない。釣魚島およびその付属の島々は従来、中国の固有領土である。その島の12カイリは中国の領海である。貴船は我が国の領海に侵入した。ただちに退去してください」

中国側も、“巡視船こそ退去せよ”と中国語及び日本語で警告。海上保安庁の巡視船は、中国海警局の船が島などに近づかないようブロックしていました。尖閣諸島では、こうしたつばぜり合いが日々続いているのです。

調査を終えた石垣市は31日、会見を開き、国の積極的な関与を求めました。

石垣市 中山義隆市長
「上陸調査もしたいんですが、 上陸については国有地になっていますので、国の許可を得ないといけないと思っています。今後、政府に対しても、上陸調査を含めて国も一緒に参加していただくようなお願いというのはさせていただきたいと」

一方、中国の国営テレビは、海警局のコメントを放送しました。

中国国営テレビ
「中国海警局の船が法に基づき警告し、追い払った。日本がとやかく言う権利はない。日本側には、この海域における一切の違法活動をただちにやめ、同様の事案が二度と起きないよう求める」

中山市長は、“今の尖閣諸島は漁業者が安心して漁をできる状況にない”として、国に毅然とした対応をとるよう求めています。
(2023年1月31日放送「news every. 」より)

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