有害性指摘の「PFAS」井戸水や基地周辺など全国で検出相次ぐ 東京・多摩地域では取水停止に…住民の血液検査で国調査の3倍余り検出【news23】|TBS NEWS DIG

有害性指摘の「PFAS」井戸水や基地周辺など全国で検出相次ぐ 東京・多摩地域では取水停止に…住民の血液検査で国調査の3倍余り検出【news23】|TBS NEWS DIG

人体への有害性が指摘されている化学物質「PFAS」。水や油をはじく特徴があり、フライパンのコーティングやレインコート、飲み物や揚げ物を入れる容器など、様々な製品に使われてきました。この「PFAS」が、アメリカ軍基地周辺や都内の井戸水など、全国各地で検出されていて、国も対策を検討しています。

■有害性指摘のPFAS 東京・多摩では取水中止に

いうまでもなく水は生活の全てで、欠かせません。

東京・国分寺市に住む藤木千草さん(66)
現在、夫と2人暮らしです。

藤木さんは今、水道水の安全性に不安を抱えています。

藤木千草 さん
「(子どもが)赤ちゃんのときから、ここの水でミルクとか作ったりするわけじゃないですか?
(安全性が)どうだったのかなというのは不安」

藤木さんの住む多摩地域で、 井戸水などから国が定める暫定的な目標値を超える化学物質「PFAS」が検出されたためです。

「PFAS(ピーファス)」は「有機フッ素化合物」と呼ばれる化学物質の総称。

水や油をはじく性質を持ち、フライパンのコーティングや、泡消火剤などに幅広く使われてきました。

特に人体への有害性が指摘されているのが「PFAS」の中でも「PFOS(ピーフォス)」と「PFOA(ピーフォア)」と呼ばれる化学物質です。

環境省が2021年度に行った調査では、31都道府県の河川や地下水のうち、13都府県81地点で目標値を上回る濃度が検出されました。

東京の市民団体は2022年、多摩地域の住民を対象として、血液の中にどのくらいPFASが含まれているか調査を行っています。

そのうち、国分寺市を中心とした住民、男女あわせて87人の血液を分析したところ、国が全国で行った調査の平均値の3倍余りにのぼる濃度の「PFOS」と「PFOA」が検出されたということです。

藤木さんも市民団体による調査を受けました。

藤木さん
「やっぱりビックリした。こんなに(血中濃度が)高かったんだと。だけど今のところものすごい健康被害を実感しているわけではないが、これは結構深刻な問題なんだなと思った。原因が知りたい」

■「PFAS」検出した多摩地区 井戸の使用が停止に…

多摩地区の井戸水から「PFAS」が検出されたことを受けて東京都は…。

喜入友浩キャスター
「こちらの浄水所では高濃度の化学物質PFOSなどが検出されたため現在、井戸の使用を停止しています」

都の水道局によりますと、2021年5月までに井戸の使用を停止したのは、立川市や府中市など7市の施設11か所です。

各地で「PFAS」が検出されていることについて市民は…

50代 女性
「飲み水はペットボトルとかは利用してるが、野菜洗ったりとか、お米を研いだりとか、食べ物に関係するような場面で使っているので、それはとても気になる」

40代 女性
「うちもそうだが、子育て世代が多いと思うので、安全な基準にしていただきたい」

「PFAS」をめぐっては、東京の横田基地周辺や、沖縄や神奈川のアメリカ軍基地周辺などで高濃度の値が検出されました。

また、大阪でも地下水から高濃度の値が検出され、工場が汚染源になっていると指摘されています。

こうした状況を受けて環境省は1月30日、専門家による初めての会合を開きました。
会議では、汚染源を特定する必要性が指摘されたほか、国内での詳細な調査を求める意見があがりました。

■PFAS 日本各地で検出「永遠の化学物質」とも…

山本恵里伽キャスター:
ここからは環境衛生学が専門で、多摩地域の調査にも参加している京都大学の原田浩二准教授にお話を伺います。

喜入キャスター:
まずは問題となっている「PFAS」という物質を見ていきます。「PFAS」は人の手によって作られた「有機フッ素化合物」の総称です。特徴は大きく二つあります。まずは水や油を弾いて熱に強いという特徴。フライパンなど身近なものに多く使用されています。

そしてもう一つの大きな特徴がこちら、自然界で分解されにくいという特徴なんです。「フォーエバーケミカル」とも呼ばれていまして、土や水の中に残り続け、環境汚染そして健康への影響が指摘されています。

コレステロールの上昇、一部ですが発がん性、また恒常性ホルモンの異常胎児への影響なども懸念されています。

山本キャスター:
身近に使うものですから非常に不安になってしまうんですが、研究はどれくらい進められてるんでしょうか。

PFASに関する専門家会議の委員 京都大学 原田浩二 准教授:
今挙げられていたものっていうのは多くの研究が集まって、確実性が上がっているものであります。ただまだ研究自体は、まだまだ続けられています。また別の影響が判明するかもしれません。完全に解明されているわけではまだありません。

そしてこの「PFAS」というのはですね、少なくとも約4700種類はあるとされてるんですね
これらのうち、特に懸念されている「PFOA」「PFOS」は、国内では製造輸入が原則禁止になってますので、今売られてるものにはほぼ含まれていないと考えられてい…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230202-6065507)

▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://newsdig.tbs.co.jp/

▼チャンネル登録をお願いします!
http://www.youtube.com/channel/UC6AG81pAkf6Lbi_1VC5NmPA?sub_confirmation=1

▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」
https://www.tbs.co.jp/news_sp/tbs-insiders.html

▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
https://www.tbs.co.jp/news_sp/toukou.html

健康・暮らし動画カテゴリの最新記事