【水中激撮!】ふわりふわり…泳ぐ巨大ダイオウイカ なぜ水深5メートルに?(2023年1月11日)

【水中激撮!】ふわりふわり…泳ぐ巨大ダイオウイカ なぜ水深5メートルに?(2023年1月11日)

 水面を漂っているのは巨大なダイオウイカ。遭遇したダイバーが生きて泳ぐ貴重な姿を激撮しました。

 近くで見た人:「恐らく2.5メートルから3メートルくらいのサイズだと思います」

 人よりも大きなイカは…。

 国立科学博物館・窪寺恒己名誉研究員:「まず間違いなくダイオウイカです。大体、水深600から1000メートルくらいの基本的には深いところにいるイカ」

 なぜ、日本海の水深5メートルほどの地点にダイオウイカが現れたのでしょうか。

 耳を動かして長い足をくねらせ、ぎょろりとした目も確認できます。そばを泳ぐ人間よりも明らかに大きいです。世界最大ともいわれるイカ「ダイオウイカ」の泳ぐ姿を捉えた貴重な映像。

 ダイオウイカがいたのは兵庫県の日本海側、豊岡市竹野町にある港の出口付近で陸から約100メートル、水深は5メートルほどのところだったそうです。6日夕方、この町でキューバダイビングのお店を経営する田中さん夫婦が撮影しました。

 泳ぐダイオウイカを撮影・田中陽介さん(41):「近所の釣具屋さんから『ちょっと変わったイカがいるよ』と電話を頂きまして、慌てて準備をして見に行った」

 大きさは2.5メートルほどだったといいます。映像を撮影しているのが妻の美紀さんで、ダイオウイカの近くを泳いでいるのが夫の陽介さんです。

 泳ぐダイオウイカを撮影・田中陽介さん:「もし絡まれると、やばいなと思って足の方にはあまり近付かないようにはしました」

 泳ぐダイオウイカを撮影・田中美紀さん(34):「彼が1メートル80センチあるんですけど、それより大きな生き物ってなかなか日本海にはいないので、一生に一回あるかないかの経験だったので、すごく感動しました」

 国内では、ダイオウイカが陸に打ち上げられたり、定置網に掛かったりして発見されることはありました。過去にはスルメにされたり、試食会が開かれたりしたことも…。

 しかし、泳ぐ姿が、しかも近海で鮮明に撮影されるのは珍しいといいます。ダイオウイカ研究の第一人者・国立科学博物館の窪寺名誉研究員に聞きました。窪寺さんは2006年に世界で初めて生きているダイオウイカの撮影に成功しています。その人物をもってして…。

 国立科学博物館・窪寺恒己名誉研究員:「今回のものは非常にきれいに足の長さなんかがうまく撮れている。価値がある(映像)」

 実は窪寺さんによりますと、日本海でダイオウイカに遭遇するチャンスは冬に増えるそうです。

 国立科学博物館・窪寺恒己名誉研究員:「(ダイオウイカは)比較的、暖かい海の深いところ、4から10℃くらいの水温帯に住んでいるだろうと考えられるが、冬、日本海は北の方、大陸の方から水が冷えてくる。そうすると、ダイオウイカは南の方に“圧迫”されてくる。で、日本列島のそばまで来る。それで岸に寄ったところで人間の目に触れる」

 では、今回撮影されたダイオウイカは、その後どうなったのでしょうか。

 国立科学博物館・窪寺恒己名誉研究員:「“皮”がボロボロになっている感じがした。まだ泳いでいましたけど、かなり衰弱して厳しいでしょうね」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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