歴史的な円安が日本経済に影を落とす中さらに下落している通貨があります。イギリスの通貨ポンドです。イギリス発の金融危機に発展する懸念が高まっているようです。
記者
「こちらはドルに対するイギリスポンドの相場です。月曜日に史上最安値をつけました。今もポンド安が続いています。変動相場制に移行した1972年以来の最安値、きっかけは新政権の大盤振る舞いです」
イギリス リズ・トラス首相
「経済成長のために減税と改革を大胆に実行します」
23日、トラス政権は7兆円を超える大規模減税を発表。(エネルギー対策も含め)5年間で25兆円の財政負担が増えるというものでした。
市場関係者
「こんなに借金をふやして大丈夫なのか…、イギリスの信認が揺らいでいる」
一気に財政不安が生じ、イギリスの国債に売りが集中、ポンドは暴落。株価も下落し「イギリス売り」の様相です。
折しもイギリスでは中央銀行がインフレを抑えるために利上げというブレーキを踏んでいるさなか。政府と中央銀行が減税と利上げという逆の政策をとっているのです。
ちぐはぐな政策はイギリスだけではありませんん。
日本銀行 黒田東彦総裁
「(Q.政策の方向性が異なっている、矛盾しているという指摘がマーケットからは聞かれるんですけれども)そういうふうに全く考えていません」
日銀は金融緩和を継続し、円安にアクセルがかかる中、政府・日銀は為替介入でブレーキを踏んでいます。
また、イギリスの失策は日本への警鐘だと大手銀行幹部は分析します。
大手銀行幹部
「財政に対する信頼感をなくすと、一気に国の信認を損ねる。財政支出には一定の規律が必要だ」
岸田政権は物価高に対応する経済対策を打ち出す方針ですが、イギリスの二の舞となり、日本売りにつながらないか、市場の反応に警戒が必要です。
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