「ウクライナ制圧してもプーチン大統領はもたない」ロシア侵攻その後は・・・専門家解説(2022年3月4日)

「ウクライナ制圧してもプーチン大統領はもたない」ロシア侵攻その後は・・・専門家解説(2022年3月4日)

欧米諸国からの武器の支援は、戦力で圧倒的に劣るはずのウクライナがロシアの侵攻を食い止める状況につながっています。

◆ロシア政治が専門の慶應大学教授の廣瀬陽子さん、軍事ジャーナリストの黒井文太郎さんに聞きます。

(Q.アメリカなどからの武器提供は、戦況にどう影響を与えますか)

黒井文太郎さん:「ウクライナ軍はロシア軍に比べれば装備も劣ります。アメリカ製の携帯式対戦車ミサイル『ジャベリン』や、イギリスやスウェーデンが作った別の兵器が有効ではないかと事前に研究され、開戦前から運び込んでいました。砂漠や岩山ではなかなか使えませんが、森があって歩兵が近付いていけるので、約1~2キロの距離から戦車や装甲車を破壊することができます。これがかなり効いています」

(Q.プーチン大統領は“核”にも言及していますが、今後、大規模な攻撃を行う可能性はありますか)

黒井文太郎さん:「核はけん制の意味で使っていると思います。ただ、気になるのは『NATO(北大西洋条約機構)は軍を派遣していないけど、武器を運んでいる』となったら、プーチン大統領の言い分としては『攻撃をしてもいい』となる可能性があります。街を潰すような戦略核はないと思いますが、ロシアは小型核を持っています。例えばポーランドから西側の武器が入ってきた時に『NATOからの攻撃に報復する』と言いだしかねない怖さがあります」

(Q.ウクライナ政府によりますと、ウクライナでは2000人以上の民間人が亡くなっています。プーチン大統領はどこに向かおうとしているのでしょうか)

廣瀬陽子さん:「これまで長年、旧ソ連の政治を研究してきましたが、今回の一連のプーチン大統領の動きは、全く論理的に説明できない状況です。

今後、ロシアが進む道を考えた場合、国際的な孤立しか考えられません。今は中国と蜜月関係ということになっていますが、今後ますます制裁が強くなれば、その余波を受けて、中国ですら離れていく可能性もあります。仮に軍事的に勝利したとしても、国際政治的にロシアの勝利はありません。もはやプーチン大統領の体制転換以外に、ロシアが生き残る道はないのではないかとすら思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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