生ごみを98%食べつくす微生物x渋谷区の実証実験…バイオテクノロジーでごみ減量へ(2021年12月2日)

生ごみを98%食べつくす微生物x渋谷区の実証実験…バイオテクノロジーでごみ減量へ(2021年12月2日)

いま、渋谷で、ひそかに住民を夢中にさせる、あるもの。
みきこさん「すごい楽しみすぎて、ごはんごはんって」
お子さん「アスパラとバナナの皮です」
渋谷区担当者「コムハムが」
みきこさん「コムハムくんが」
一体何が始まっているのか・・・
実は、渋谷で未来を見据えたあるプロジェクトが進行中なんです!
そのカギを握るのは・・・こちら
一見すると、ただの“土”でも、この液体に秘密が!
実はこの中に生ごみが大好物な微生物たちが生きています。
彼らの一番の好物はというと・・・

komham CEO 西山 すのさん
「カレーとハンバーグが好きで。本当に子供で、先にそっちたべてそのあとに野菜食べる」
この「コムハム菌」、なんと1日で5キロの生ごみを98%平らげてくれるという大食漢です。
渋谷区環境政策部 環境政策課 飛田和 俊明さん
「ペット意識っていうか、ペット感覚で思っていただければ地域の」

10月、渋谷区ふれあい植物園で、
食いしん坊の微生物たち、コムハム菌を使った生ごみ処理の実証実験が始まりました。
きょうは何のごみ持ってきたの?
女の子「アスパラの皮とバナナの皮」
やり方は、いたって簡単です。
コンポストという容器に生ごみを入れ、
かきまぜ・・・
佐原さん「ママ、まわすね」
さらに容器をぐるぐる回して撹拌するだけ。
「ゴロゴロ」
15世帯が1つのコンポストをシェアし、生ごみを減らす生活に挑戦しています。
参加者の一人、普段から地域の方と堆肥をつくり家庭菜園を楽しむみきこさんが
ご自宅のプランターには・・・
「これピーマン、ししとう。10人弱ぐらいでやってます」
渋谷区とスタートアップ企業がコラボしたこの生ごみ処理の実験に、わざわざ表参道から10分以上もある道のりを自転車に乗って参加しています。
「さすが渋谷区っていうか、自分が今取り組もうとしていることが近いから目的はきっと一緒だなって。すごい楽しみ。自転車にバケツのっけて『ごはんごはん』って言ってもっていきます」
参加者 佐藤さん
「きょうは子供の食べ残しのシリアルと、期限の切れたサーモン丼のサーモンです。ちょっとリッチな感じで」
それぞれが自宅から持ち寄った生ごみを入れ、LINEでごみの重さを登録し、送信します。

夜・・・
コンポストを覗いてみると・・・温度はなんと56℃に!
触ってみると温かいというより、熱く感じるほどです。
コムハム菌は熱を発しながら、えさとなる生ごみをスピーディーに食べつくし、1日で98%の生ごみを主にに水と二酸化炭素に分解。ほとんどの生ごみが消えてなくなるのです。

北海道では、この特性を活用した大規模なごみ処理事業が、すでに9年間もの間、運用されています。
komham CEO 西山 すのさん
「映っているスペースだけだと4トン。今9年、毎日オペレーションしていて、毎日20トン入れていても残ってはいないので」

ここに渋谷区が実証実験を進める理由があります。
23区のごみの最終到達場所、東京都のごみ埋め立て地の寿命は残り50年といわれています。
ごみの量を自体を減らすことは、各自治体にとって重要な課題なのです。

スタートアップ企業とこの実証実験を企画した渋谷区の担当者は・・・
渋谷区環境政策部 環境政策課 飛田和俊明さん
「あと50年といいますと、やっぱり孫の代まで埋め立て地を使っていかなきゃいけない。使い切ってしまうと代わりになる場所がないのです」
コムハム菌に未来のごみ処理の可能性を見出す渋谷区。多くの人が期待を寄せています。

参加者の田辺さん
「50年すると埋め立ても難しいって。それではいけないでしょって思って、今できることから参加してみようって」
渋谷区内では、すでに学校や、老人ホーム、恵比寿ガーデンプレイスなどでコンポストの試験導入が行われ、その先を見据えた動きも広がっています。
コムハム菌のシェアリングコンポストを使ったごみ処理で、地域の人々につながりも生まれています

komham CEO 西山 すのさん
「ここ渋谷のど真ん中で横のつながりまで生まれるとすごく面白い展開になるんじゃないかなと。コムハムがただのごみ処理じゃなくてその先までいける1つになるかなと信じて進めてます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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