【解説】日銀が政策金利0.75%に引き上げ 30年ぶり高水準 物価や住宅ローン…暮らしに影響は?

【解説】日銀が政策金利0.75%に引き上げ 30年ぶり高水準 物価や住宅ローン…暮らしに影響は?

日本銀行は、政策金利をこれまでの0.5パーセントから0.75パーセントへ、約30年ぶりの高水準に引き上げることを決めました。私たちの暮らしへの影響は?

 日本銀行・植田和男 総裁
 「従来の0.5%程度から0.75%程度に変更することを全員一致で決定しました。来年は、今年に続きしっかりした賃上げが実施される可能性が高く、企業の積極的な賃金設定行動が途切れるリスクは低いと考えられます。消費者物価の基調的な上昇率は、ゆるやかな上昇が続いています。2%の物価安定目標の持続的 安定的な実現という観点から、金融緩和の度合を調整することが適切であると判断しました」

(Q:今後の利上げペースは?)
 「今後の経済、物価金融情勢次第であって、毎回の金融政策決定会合で、経済物価の見通しやリスク、見通し実現の確度をアップデートしながら適切に判断していく方針です」

◇◇◇◇◇

(中谷しのぶキャスター)
 利上げの方針ということで、今年1月以来、約30年ぶりの高水準になることになります。では、私たちの暮らしにどう影響してくるのかを見ていきます。

■日銀利上げ決定 銀行預金や住宅ローンは?

 政策金利が0.5%から0.75%に引き上げられることで、「銀行預金」の利子が上がります。つまり、預金がある方は、利子分が上がるということになります。

 一方で、心配されている方も多いのではないでしょうか。「住宅ローン」の金利も上がるということです。では実際にどのくらい上がるのか、こちらになります。

 返済額がいくら増えるのか。例えば、4000万円の物件について35年返済でローンを組んでいる方の場合、毎月の支払いが4480円ほど上がります。総支払いとしては、188万1508円上がります。

 ただし変動金利は、上がるとしても、見直しが多くの銀行で半年に一度ということです。上がるとしても半年後です。

 これは持ち家の場合ですが、実は、賃貸にも影響があるということです。

 専門家(住宅ローンアナリスト・塩澤崇 氏)に話を伺いました。
 「マンションのオーナーが銀行からローンを借りている場合、そのオーナーが支払う利息が増えるので、金利上昇分を家賃に転嫁する可能性もある」つまり、いま借りている家賃から、また上がってしまう可能性もあるということです。

■日銀利上げ決定 食料品価格は?

 そして、家だけではありません。私たちが日々、高騰に悩まされている「食料品価格」への影響は、どうなっていくのか。

 専門家(りそな総合研究所・荒木秀之 主席研究員)に話を伺いました。

 「金利が上がることで、輸入食料品に関しては、本来、円高になれば安くなるが、一定期間、円高が続かないと、すぐには値下がりしない」

 横須賀さん、いま円安の状態が続いているので、すぐ円高になるとは考えにくいですし、そうなると物価高騰がしばらくは続いてしまうということになりますね?

(横須賀ゆきの 解説委員)
 そうなんですよね。一番影響を受けやすい部分ではあるんですが、日本がアメリカに対してだけではなくて、ヨーロッパのユーロに対してや、他の通貨に対しても今弱い状態なので、エネルギーも含めて輸入品も、そんな簡単に急には下がらないだろうというのが、やはり専門家の見立てです。食料品の価格というのが、生活している皆さんにとって一番打撃を受けるところではありますよね。

■日銀の政策金利 今後は?

 (中谷キャスター)
 日銀は今後、1%までは金利を上げていきたい考えを持っていて、中・長期的に見て利上げを続けていくのか、そういうメッセージがきょう(19日)出されるのかも注目されましたが…

 (横須賀 解説委員)
 上げていきたいという思いはすごく伝わってきますよね。何段階か、やはり上げていかないと、それでもアメリカの金利差とは全然埋まらない、むしろアメリカもまた景気が良くなったら上げていく可能性も出てきますから。なので、この溝を埋めるのには相当の時間がかかりますし、本当はもっとピッチを上げたいんですよね。今度、マイナス面としては、企業も個人もお金を借りてくれなくなる、そうすると景気がまた落ち込むんじゃないかという不安感の方もすごくあるので、日銀としてもジレンマなんじゃないかなっていうのを感じますよね。

(中谷キャスター)
 きょう(19日)の会見を見ても、「適切に判断していきたい」という言葉がありました。専門家(りそな総合研究所・荒木秀之 主席研究員)に話を伺いました。
 「日銀は利上げの姿勢をみせたが、従来通りの方針のため、為替市場は今のところ落ち着いた反応を見せている。今後はアメリカ経済、そして国内企業の賃上げの動向が、円安・円高に影響していく」

 ということで、日本の方針から、やはりアメリカの方針に関心が移りつつあるという指摘です。

 やはり物価高の影響は、しばらく続きそうです。

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