自民党の新執行部が公明党の斉藤鉄夫代表らと会談しました。しかし、高市早苗総裁の政治的スタンスを巡って、連立合意が異例の持ち越しとなりました。両党の関係に最大の危機が訪れています。
■「政治とカネ」ミゾ埋まらず
高市総裁が新執行部と共にあいさつしたのは、斉藤代表を始めとする公明党の執行部です。
1999年10月から始まった自民党と公明党の連立関係。これまでは新体制となれば、あいさつしてその場で連立の合意文書を交わしていました。
しかし、今回は異例の1時間半にわたる協議にもかかわらず、初めて持ち越しとなりました。
背景にあるのが、公明党支持者の懸念です。
公明党の支持母体である創価学会は歴史的に中国と関係が深く、高市総裁の靖国神社参拝や保守色の濃い政策で日中関係が悪化することを懸念しています。
公明党 斉藤代表
「特に歴史認識、靖国問題、過度な外国人排斥問題については、高市新総裁から詳細な説明があり、我々と認識を共有できたところもたくさんございました」
認識が共有できなかったのは「政治とカネ」の問題です。
「我が党の支持者がある意味でモヤモヤしている不記載事案に関して、選挙でみそぎを済ませたという話もございますけれども、その後に出てきたいろいろな問題もございます」
公明党 西田実仁幹事長
「(Q.政治とカネで新しく出てきたことがあると言っていたが、(キックバック)再開を指示したのが下村さんだということ?)それもあります」
「(Q.ほかもある?)ほかもあるでしょう」
高市総裁はこう述べました。
「1点については課題が残りました。まだお話し合いをしなければいけません」
■「これを機に切れ」自民議員
連立からの離脱もちらつかせる公明の姿勢に、自民党内からは次のような声が聞かれました。
若手議員
「切れないのを分かって言ってきているんだろうけど、これを機に切ってしまえばいい」
関係者
「高市さんもバカじゃないんだから、最初からあえて事を起こそうとは思っていないし、連立だって解消しようと思っていないだろう」
政治ジャーナリストの後藤謙次氏はこうみています。
「自公連立樹立後、最大の危機が訪れていると思います。高市新執行部の最大の失敗は、連立の拡大ばかりに意欲的になっていて、足元の公明党の存在をおろそかにしていたこと」
火種は自民党内でもくすぶっていると指摘します。
「公明党が暴れてくれたらうれしいという、今の高市執行部を冷ややかに見ている、総裁選で敗北した勢力が必ずいる」
(「グッド!モーニング」2025年10月8日放送分より)
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