“農ある暮らし”が日本の農業を救う?広がる「農泊」(2025年10月1日)

“農ある暮らし”が日本の農業を救う?広がる「農泊」(2025年10月1日)

 コメの価格が上がっている一方、農業にかかるコストの増加が課題となっています。こうしたなか、農家の新たな収入源として期待される「農泊」を取材しました。

 田んぼで農作業をしているのは東京から来た中学生たちです。

東京から来た中学生
「(Q.どうですか?やってみて)食べる前のものしか知らなかったので、生きているというか生えている状態のやつを自分で切るの楽しい」

 関東の米どころの栃木県大田原市では、農業人口がここ10年で2割余り減っています。そこで農家などに泊まって農作業を体験する「農泊」を通じ、都市部や海外からの観光客の呼び込みに力を入れています。

受け入れ農家「モモファーム」 西岡智子さん
「農泊があることで関わって下さる方がすごく増えて、ずっと泊まりに来てくれていたリピーターのお客様が今年の春かな、移住してきて下さって」

 農泊で体験できるのは農作業だけではありません。農村での暮らしそのものが魅力の一つになっているといいます。

受け入れ農家「モモファーム」 西岡智子さん
「犬の『ミル』との散歩がすごく心に残るようで、ゆっくり歩くことって日頃やってそうでやっていないし、犬の歩調で自然を見ながら広い空を見ながらという、そこがすごく皆さんの心に残って感想でいただくことが多いですね」

 この日、米農家に宿泊したのは中学生の他に農業大学に通う学生など。皆で一緒に夕飯の準備をします。普段、都会に暮らす学生たちは自分で収穫した食材を調理することで食の大切さを学びます。

受け入れ農家「モモファーム」 西岡智子さん
「やっぱり自分たちの命の根っこにあるものに関われるというのはすごく貴重なことだと思うので、若い子たちはもう感じています、これが必要だということ」

 翌日、教育旅行を終えた中学生たちが東京に帰る日。お世話になった農家の方に別れのあいさつと感謝を伝えます。

農家の人
「皆が大切に刈ってくれた手刈りのお米は私たちでちゃんと責任持ってお米にして、スーパーに並ぶ中の一部になるかもしれない」

 この地域では学生向けの教育旅行を中心に受け入れ農家も180軒まで増え、今では年間1万人ほどが訪れるようになりました。

受け入れ農家「モモファーム」 西岡智子さん
「別にそれ(農業)を仕事にしなくても暮らしの一部の中に月1回、土日来るとか、そうやって関わっていってくれれば『農ある暮らし』ってもので見ていけば全然暗い未来はないと私は思っています」
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp

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