シスター・ベルナデット(88)、シスター・リタ(81)、シスター・レジーナ(86)の3人は、オーストリア南部ザルツブルク近郊、エルスベーテンの城内にあるクロスター・ゴールデンシュタイン修道院で人生の大半を過ごした。
この修道院には私立女子校も併設されており、3人全員が、教師として勤務した。シスター・レジーナは校長も務めた。
しかし、シスターの数は減少した。2022年、この建物はザルツブルク大司教区とアウグスチノ会のライヒャースベルク修道院によって引き継がれ、同修道院のマルクス・グラスル首席司祭が、シスターたちの上司となった。
高齢になった3人は医療ケアを受けるため、2023年に教会が運営するケアハウスに移された。
2024年初頭には修道院も正式に解散となった。残されたシスターたちには、健康状態と精神的能力が許す限り、生涯にわたる居住権が認められた。
そうしたなか、シスターたちは施設での生活に満足できなかった。
「私は生涯、従順に生きてきたが、あれは耐えられなかった」と、シスター・ベルナデットは語った。
シスターたちはわずかな所持品をまとめ、元教え子たちや村の住民らの助けを借りて、修道院に戻った。元の居室の鍵が変更されていたため、鍵職人が呼ばれた。
戻った当時は、電気も水も通っていなかったが、現在では電気と水道の接続が一部回復しており、支援者が食料品を届けている。また、シスターたちは医師による診察も受けているという。
現在は、クロスター・ゴールデンシュタイン最後のシスターとして暮らし、日常生活をインスタグラムに投稿している。
グラスル首席司祭は声明の中で、シスターたちの行動について、「まったく理解できない」、「事態のエスカレーションだ」と述べた。
「修道院の部屋はもはや使用可能な状態ではなく、適切な介護の要件をまったく満たしていない」
また、シスターたちの「不安定な健康状態」により、「ゴールデンシュタイン修道院での自立した生活はもはや不可能だった」と指摘。介護施設では、「絶対に必要な、専門的で良質な医療ケア」を提供していたと語った。
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