火球か隕石が観測 専門家「人にぶつかる可能性は高くはないが危険はある」

火球か隕石が観測 専門家「人にぶつかる可能性は高くはないが危険はある」

19日午後11時8分すぎ。西日本を中心に漆黒の夜空を閃光が照らし、SNS上でも多くの投稿が相次ぎました。「火球」か「隕石」と見られています。

北九州市科学館・小林宏紀学芸員「地面に残こりの石ころが落ちてしまったら、それは隕石という言い方になる。今回のものはおそらく『大きな火球だったね』という言い方になるとは思います」

「火球」とは、流れ星の中でもひと際大きく強い光を放つもので、大半はその過程で燃え尽きてしまいます。

火球の中でも、地面にぶつかり、物体が残っている場合は隕石となりますが、今回のものは、海上に落下したという情報があり、発見は難しいので「火球」と呼ばれる可能性が高いそうです。

しかし、落下物が確認された場合は「隕石」として認定され、日本では、2020年7月に千葉県で発見されて以来になります。

今回のものは強い光を放ったのが大きな特徴です。しかし、これ空気との摩擦で起きている訳ではないそうです。

北九州市科学館・小林宏紀学芸員「地球のところに砂粒がぶつかってくる、あるいは石ころがぶつかって大気に飛び込んでくるんですけど、その時に空気を押すんですね。空気を圧縮することによって空気がプラズマという、気体より更に上の段階に変わる、その時に強い光を出します」

さて、今回「隕石」の可能性もあった訳ですが、その昔、巨大なものが地球に衝突して、大量の塵ちりが発生し、太陽光線がさえぎられて植物が減り挙句は恐竜絶滅のきっかけにもなったと考えられています。

心配はなかったのでしょうか。

北九州市科学館・小林宏紀学芸員「人とか動物にぶつかる可能性としては高くはないかもしれませんが、それくらい威力があるものなので、近くに落ちると危ないということはあります。プラネタリーディフェンスといってるんですが、空を監視して、地球の脅威になりそうな小惑星、あるいは隕石というものは監視してはいる。ただそれはサイズが大きなもので、今回はもちろん、そこに含まれているものではない」

今回はたまたま「見えた」ともいえそうですが、観測できる可能性が高い時期はあるといいます。

北九州市科学館・小林宏紀学芸員「この時期に多いというのは流星群という、流れ星が多い時期がある。ここまで大きな規模のものが毎回みられるわけではない。火球くらいのものであれば、流星群の時期に、普段よりもみやすくなる」

福岡では、直近だと12月中旬ごろにふたご座流星群が観測のピークを迎えます。

流れ星に隕石が見えますようにとお願いしながら、夜空を見上げるのもまた一興かもしれません。

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