【熱波暮らし直撃】乳牛もぐったり「かなり呼吸が早い状態」搾乳量が1割減、帯広のスケート場前は雪山の大サービス、医師「室内にたまった熱を逃がすことが重要」

【熱波暮らし直撃】乳牛もぐったり「かなり呼吸が早い状態」搾乳量が1割減、帯広のスケート場前は雪山の大サービス、医師「室内にたまった熱を逃がすことが重要」

北海道帯広市の予想最高気温40℃となった24日、道内では何度も温度計を確認する1日になりました。

・帯広市民
「昼間は家にずっと引きこもり。だから朝のうちに歩いているんですよ」

・東京からの観光客
「北海道は涼しいと思って来たのに、こんな暑いときに来るとは思わなかった」

日中にかけて各地で気温はぐんぐんあがり、道内で最も高かったのは、北見で39℃ちょうど。道内の観測史上2番目の高い気温になりました。

このほか、帯広で38.8℃。佐呂間町で38.6℃。札幌も35.3℃を観測し、初めての猛暑日となりました。

■乳牛もぐったり…搾乳量が1割減

この「猛烈な暑さ」の中、札幌市中央区内の公園をのぞいてみると、遊んでいる子どもの姿はほとんどいませんでした。

・大西結衣記者
「こちらの遊具温度をはかってみると、57℃」

厳しい暑さの影響を人間以上に受けるのが、動物たちです。

・士幌町の酪農家 川口太一さん
「体全体で動いている、これはかなり呼吸が早い状態。よだれをたらしているのは暑がっている証拠」

士幌町のこの牧場では、乳牛400頭を飼育していますが、連日の暑さで牛が弱わってしまい、搾乳量が減っているといいます。

・士幌町の酪農家 川口太一さん
「1頭の搾乳量が以前は1日35~36キロくらい。しかし今は32キロぐらいに。1割減っている」

■ビートへの影響も深刻「人間と同じ作物もバテる」

暑さの影響は、作物にも。

・ビートを栽培する田中農場 田中学代表
「これが温度にやられているというか、高温の影響ですね」

帯広市の郊外のビート畑です。よく見ると、高温で葉がしおれています。

この時期に高温が続くと、かぶに栄養がいきにくくなり、大きく育たなかったり、糖度が低くなったりするなどの悪影響があるのです。

・ビートを栽培する田中農場 田中学代表
「1日だけ35℃とかであれば耐えられるが、何日も続いているので、僕たち人間も高温続くとバテちゃうけど、作物も同じなので…」

■スケート場は雪山(?)のサービス

この暑さの中、スケート場の前に姿を現わしたのは雪でしょうか?実は、スケートリンクを磨く時にできた氷です。

・子ども
「帽子の中に入れて、涼しんでいた」

24日帯広市の気温は、幸い40度には達しませんでした。

■佐呂間町は町民センターをクーリングシェルターとして臨時開放

一方、24日道内で3番目に高い気温に見舞われた、佐呂間町では、町民センターをクーリングシェルターとしてエアコンを効かせて
午後5時まで臨時開放しました。

■24日少なくとも68人が熱中症疑いで病院搬送  

消防によりますと、道内では午後6時までに少なくとも68人が熱中症の疑いで救急搬送されています。

23日は、斜里町で90代の女性が熱中症の疑いで死亡。部屋にはエアコンがなく窓が閉まっていたということです。

■専門医師「室内のたまった熱を逃すことが重要」

屋外だけではなく、室内でも起こる熱中症。「室内熱中症」の注意点を専門家に聞きました。

・熱中症に詳しい 横浜市東部病院 谷口英喜 医師
「絶対にやるべきことは暑熱回避。暑さから逃げるということが大事。昼間はエアコンを使うのはもちろん、夜、特に寝ているときにエアコンをタイマーで設定するのではなく、もうつけっぱなしするのが一般的になってきている。それぐらい、やっぱり夜の熱中症が増えてきている。特に高齢の人で増えてきている」

また北海道の住宅は、冬の寒さに備えて気密性や断熱性が高く、熱がこもりやすいため、エアコンがない場合は、たまった熱を逃がすことが重要だと指摘します。

・熱中症に詳しい 横浜市東部病院 谷口英喜 医師
「逃がす方法として一番いいのは換気をして、夜は涼しくなるので、その涼しい空気を部屋の中に取り込んでもらい、エアコンが無くても、風を通すこと、扇風機やサーキュレーターを使って、空気を循環させることが重要です。特にですね、この暑い空気は天井の方に溜まる傾向がありますので、どうしてもですね、それが寝ている間に落ちてきたりして、それで暑さがさらに夜感じることになりますので、部屋の空気を外に入れ替えして、涼しくしておくっていうことが大事になってきます」

■室内熱中症…夜間の脱水に注意

室内熱中症について谷口医師は、「夜間の脱水」に注意を呼びかけています。

▽人は寝ている間に、およそ300mlの水分が失われると言われています。

▽そのため「寝る前」と「起床後」の水分補給が重要です。「寝る前」と「起床後」にそれぞれ150ml、コップ1杯程度の水分をとるようにしてください。

▽また暑くて起きたときにも水分をとると安心です。

■水分補給の基本は“食事”

その水分補給に関して谷口医師は、食事から摂取するのが基本とも話しています。

▽大人が食事から得る水分量は、1食あたり400~500mlの水分補給に相当します。

▽3食だと、1日に必要な水分量3リットルのおよそ半分1500mlの水分を摂取したことになり、残りの半分は飲み物で補うのがよいそうです。

▽食事から水分をとるメリットとしては、水分が一気に吸収されず体に残りやすいこと。特に朝食が重要で、朝食をとることで自律神経が活発になり体温コントロールがしやすくなるということです。

■熱中症予防に効果的な食べ物

▽トマトやピーマンなどの「夏野菜」やキウイなどの「果物」はビタミンCが豊富で体を熱に強くしてくれるそう。

▽スープやみそ汁は水分と塩分が一緒にとれるので熱中症予防に効果的。

▽キュウリ・かぼちゃ・スイカなどのうり類は、カリウムが多く含まれているため、体の熱を逃がしてくれる効果があるということです。

暑さのピークは過ぎますが、25日も厳しい暑さとなります。しっかり熱中症対策をして乗り切りましょう。2025年07月24日(木) 19時10分 更新

#北海道 #ニュース #HBC

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