参院選で争点となっている物価高対策としての「給付と減税」。どの党の政策でも巨額の財政出動が懸念されるなか、金融市場では危機感が広がっています。
自民党 石破茂 総裁
「赤字国債を出して財政を悪くすることをせず、本当に困っている人、急ぐ人に手厚い手当を」
参政党 神谷宗幣 代表
「一番やりたいのは消費税の段階的廃止。5年間で200兆円の国債発行で済むので」
自・公が1人あたり2万円の給付などを公約にする一方、野党各党は消費税の減税や廃止を主張しています。
ただ、いずれの政策でも課題は「財源」。実現には少なくとも3兆円半ばから最大で30兆円と巨額の資金が必要で、「国債」つまり国の借金を財源にあげる政党も。
これに金融市場では危機感が広がっています。
岡三証券営業担当
「参院選にむけて結果が出てくるまで、超長期国債は楽観視しづらいので…」
都内の証券会社では10年を超える「超長期国債」は4月以降不人気だといいます。
岡三証券 トレーダー 栗原正樹氏
「少数与党になった場合に消費減税とかも現実味を帯びてくる。そうなった場合には、当然、財政が悪化する方向の話ですし」
国債は不人気になると価格が落ち、逆に金利が上昇する仕組み。30年もの国債の金利は過去最高の水準まで急騰しているのです。
さらにきょう、長期金利の指標といわれる10年国債の利回りが2008年以来、およそ17年ぶりの水準まで上昇。私たちが借りる住宅ローンなどの金利も今後、上がる可能性があります。
岡三証券営業第一部長 伊藤顕司氏
「金利が上がり始めると、経験したことがないのですごくみんな怖いんだと思う。恐怖感というのはもう底なし沼みたいなもの」
実は3年前、イギリスでトラス首相が年間9兆円規模の大規模減税を発表しました。
イギリス トラス首相(当時)
「減税という大胆な計画を実現し、経済を成長させます」
ところが、財源の裏付けがなかったことから金融市場の信頼を一気に失い、金利が急騰。国債・ポンド・株価の“トリプル安”、いわゆる“トラスショック”で辞任を余儀なくされたのです。
バラマキ色が濃い政策で日本も同じ危機に陥る可能性はあるのか。専門家は「1回限りの財政出動なら大きなショックにならないのではないか」としたうえで、次のように指摘します。
大和証券チーフエコノミスト 末廣徹氏
「短期的にはもう黄色信号という状況。(消費税を)恒久的に下げるという話になってくると、日本国債の格下げという話も相まって、かなり大きなショックになる可能性はある」
各党が打ち出す「物価高対策」は本当に実現できるのか?財源の面も丁寧に判断する必要がありそうです。
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