東京23区の一人暮らし向けマンションの平均家賃が初めて10万円を超えました。これが大学生や新社会人など若者を直撃しています。
■「学生の街」に学生住めない
東京・新宿区にある早稲田大学。その周辺にある物件を見せてもらいました。
ROOMPIA早稲田駅前店 榊枝優店長
「(Q.ここは家賃はどれぐらい?)管理費込みで14万円くらい。風呂トイレ別と洗面台も独立で付いてくる作りになるので、このぐらいの価格帯まで上がってきてしまう」
大学から徒歩5分で8畳ワンルームのこの部屋。2年前に新築で貸し出された際は12万円でしたが、今年4月から14万円に値上がりしました。
他にも、家賃の引き上げが相次いでいます。
不動産情報サービス「アットホーム」によると、東京23区の5月の一人暮らし向けマンションの平均家賃は10万634円で、初めて10万円を突破しました。
昔から「学生の街」として知られる早稲田駅周辺も、今は「学生には住めない街」になりつつあるといいます。
榊枝店長
「キャンパス近くで探すと『価格的に難しい』となると『自転車とか電車を使って通学しましょうか』と提案させていただくケースがかなり増えてきている。どんどん(学生が)住む場所ではなくなってきている」
実際に、早稲田大学の学生に話を聞きました。
早稲田大生(岐阜県から)
「早稲田で一人暮らししようとすると家賃が高くて、今は(大久保から)自転車で通っている」
早稲田大生(兵庫県から)
「(家は)江戸川区の西葛西です。値段が安いっていうのが一番の理由」
■「引っ越さない」急増で高騰
家賃の高騰が直撃しているのは、学生だけではありません。
SNSから
「新卒で家賃10万はえぐいて、東京住めんわ」
「一人暮らしって結構ぜいたくなんよね。ぜいたくなのに、選択肢がそれしか無い」
人手不足による売り手市場を背景に、初任給を大幅に引き上げる企業が相次いでいます。しかし、東京23区の家賃はそれを上回るペースで上昇していて、むしろ一人暮らしをするハードルは高くなっています。
その影響で、最近はこんな動きもあります。
アットホームラボ 磐前淳子執行役員
「大学生の時に住んでいた場所に社会人になっても住んでいる人は増えている。全体的に(引っ越しに)慎重になっている感じがうかがえる」
新しい部屋に引っ越すと、家賃が高くなるケースが多いため、まだ安かったころの家賃で住める今の部屋にとどまる「引っ越さない」選択が増えているというのです。
ただ、これが家賃の高騰に拍車をかける要因にもなっています。
榊枝店長
「『悪循環』というか、引っ越しを控える人が多くなると、その分在庫が減るので、(需要と)供給数のバランスがあまり取れていないのが、ここ1~2年続いている気がする」
(「グッド!モーニング」2025年7月7日放送分より)
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