7日、熱中症警戒アラートが今年最多の30の都道県に発表されました。都内の団地ではこの週末、気温が30度を超えてもエアコンを使わずに生活する高齢者が多くみられました。
■都内ゲリラ豪雨 車も水没
激しい雨のなか白く光る稲光。近くに落ちたのか、大きな雷鳴が響きます。
5日夜、都内は突然のゲリラ雷雨に見舞われました。この雨の影響で、東京・東村山市など道路はいたる所で冠水。
車内から撮影された映像では、前が見えなくなるほどフロントガラスを雨が激しく打ちつけます。隣の車線の車は水しぶきをあげながら、まるで船のように進んでいきます。
さらに、冠水した交差点で立ち往生する車。画面の奥ではUターンをして交差点を避ける車や、水没して車が動かなくなってしまったのか、水につかりながら押す人の姿もありました。
歩道から道路へ流れる大量の雨水。東京・東大和市でも道路が冠水し、まるで湖のようになっていました。
車が通るたびに、歩道には雨水が波のように打ちつけています。
5日、東京をはじめ関東の1都3県に大雨警報が発表されました。
関東では連日、局地的に激しい雨や雷雨に見舞われ、5日連続で「記録的短時間大雨情報」も発表されていました。
■“エアコンなし”都内団地の高齢者
この週末、今年初めての熱中症警戒アラートが発表された東京。6日、東京都心では今年最高の34.9℃と厳しい暑さとなりました。
11日連続の真夏日となり、この週末だけで130人以上の熱中症患者が病院に搬送されました。
気温が35.6℃まで上昇し、猛暑日となった東京・練馬区。サーモカメラで確認すると、集合住宅は赤色を超えて黄色になっています。40℃近くまでいく場所もあります。住民の方は、かなり暑いんじゃないでしょうか。
気温の上昇で一面が赤から黄色に。建物全体が高い熱を帯びているのが分かります。
5日、練馬区では、午前9時の時点で気温30℃を超えていて湿度が68%となっています。朝早いですが、かなりムシムシと感じられます。
光が丘団地でボランティア活動を行う小山さん。この日は団地内の高齢者宅を見回りに行きます。
光が丘ボランティアの会 小山謙一会長
「1人暮らしのご高齢者のところ。元気で暮らしているか、ちょっと見に行こうと思って。やっぱり1人暮らしだと心配だもんね」
うかがったのは、84歳の女性が暮らすお宅。部屋に入るとエアコンはついていません。ミストが出る扇風機をつけて暑さをしのいでいました。
一体、なぜエアコンをつけないのでしょうか。
女性(84)
「これミストが出るでしょ」
小山会長
「これ電気代安いね」
女性
「安いです。これ(扇風機)でね、夏過ごしてきたんだけど、できるだけクーラー使わないように。エアコン1日つけていたら(電気代)すごくなりますでしょ」
年金暮らしのため電気代が心配で、30℃を超えてもエアコンをつけていないといいます。女性は首にタオルを巻き、時々汗を拭きます。
女性
「(Q.今年はまだ一回もクーラー使ってないですか?)2、3日前かな。夜がすごく暑かったんですよね。それでなんか我慢できなくてつけました」
今シーズン、エアコンをつけたのはその1回だけ。これからさらに暑くなった時、どうするのでしょうか。
女性
「なるべく外出して、図書館や区民センターとか、涼んだりしています。去年とか一昨年って、こんなに暑くなかったと思うの。だから今年ね、これからどうしようかな。クーラーやっぱり夜は必要かな、なんて考えていますけどね」
続いてうかがったのは、80代の夫婦が暮らすお宅。こちらもエアコンはついていません。一体なぜ、使わないのでしょうか。
夫(88)
「風が通るし、それほど体感としては暑いと感じがしないもんですから。そんなに苦痛ではない」
風通しを良くするためベランダ側の窓を開け、扇風機をつけて過ごしていました。
しかし、部屋にあった温度計を見ると室温は30.9℃、湿度は65%と表示されています。
取材しているディレクターの顔は、汗がにじむほど。
5日、午後になると日差しが出てさらに気温も上昇した練馬。手元の温度計は34℃を超えています。
エアコンをつけていなかった、先ほどの夫婦のお宅に再びうかがいました。
妻(81)
「(Q.クーラーつけ始めました?)つけ始めました」
普段であればエアコンをつけずに過ごす時間ですが、5日はお昼前からエアコンをつけたと言います。
実は、心配な出来事が起きていました。
妻
「頭がちょっと痛い」
夫
「くらくらした?」
妻
「頭が痛いような感じになってきたんで、これは熱中症の始まりかなって思いがしたんで、クーラーをつけてすぐ横になりました」
扇風機だけで過ごしていましたが、女性は頭痛を感じ、熱中症を疑ったため、すぐにエアコンをつけたといいます。
さらに女性の首元には、保冷剤もまかれていました。
妻
「(Q.(体調は)大丈夫ですか?)横になって少し寝てましたんで。でも、それじゃ遅いですね、やっぱりね。それは夜中からやっぱりね、(エアコン)つけて対策をしておかないといけないなと」
そして、5日にうかがった91歳の女性が暮らすお宅でも、部屋に入ってみると、エアコンはついていません。
女性(91)
「夜はつけっぱなしです。暑いから単純に。クーラーは大切じゃないですか」
夜はエアコンをつけていたという女性。朝は換気で窓を開けるため、エアコンはつけていませんでした。
すると、すかさず小山さんが熱中症予防のためエアコンのスイッチを入れます。
小山会長
「リモコンはどこかな?」
女性
「そこにある」
小山会長
「これから本格的に暑くなるからね」
「一番問題なのは、消防署によると熱中症患者の半数以上がエアコン使ってない。エアコン使ってない人が熱中症になりやすい」
女性
「肝に銘じています」
5日、小山さんが見回りをした3軒すべてのお宅で、エアコンがついていませんでした。
■熱中症警戒アラート 夜でも30℃超
暑さが少しやわらいだ夜のベンチで、休んでいる人の姿も。サーモカメラで撮影してみると、ベンチに座っている人は温度が低いですが、日が暮れて1時間も経っても道路はいまだに真っ赤で、およそ36℃です。
この時間に散歩をしていたという夫婦は、こう話します。
夫50代
「日が落ちてきたんで涼しくなってきて暑かったんで。きょうも(午後)4時とか5時だと、まだまだ(外に)出られないな」
妻40代
「暑いし日焼けも嫌なので。スーパーの広告の品以外は基本出ないですね」
夕方からキャッチボールをしていたという親子。
父40代
「(Q.普段キャッチボールする時間帯は?)涼しくならないとやりたくないんで。昼間は熱中症になっちゃうので嫌です」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年7月7日放送分より)
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