赤沢亮正経済再生担当大臣がアメリカを訪問している、まさにその最中での発言でした。アメリカのトランプ大統領は、日本との自動車貿易について「不公平だ」と改めて不満を表明し、日本が求めてきた25%の追加関税の見直しは認めない姿勢を強調しました。
■トランプ氏 自動車関税見直し否定的か
「日本に手紙を1通送ることもできます。『親愛なる日本様、日本は車に25%の関税を課されます』というものです」
これはアメリカのFOXテレビで29日に放送された、トランプ大統領の発言です。
日本との自動車貿易について「不公平だ」と不満を表明し、日本からの輸入自動車に課している25%の追加関税について撤廃や引き下げに否定的な考えをにじませました。
「彼らは私たちの車を受け取らないのに、彼らの車は何百万台もアメリカに入ってきます。公平ではありません」
ちょうどアメリカを訪問していた赤沢大臣にとっても、「寝耳に水」の発言だったのでしょうか。今回で7回目となる日米関税協議ですが、過去6回とは大きく違うところがありました。
■赤沢大臣 アポ取れず帰国へ
交渉相手のベッセント財務長官と協議する日程が固まらず、アメリカ滞在を急きょ延長することとなったのです。
赤沢大臣がアメリカに着いたのは26日の午前中です。その翌日、27日の午後にラトニック商務長官とおよそ65分間にわたって対面で会談しました。
その後、ベッセント財務長官との協議を模索するため滞在を延ばしましたが、実現したのは28日の午前と午後にそれぞれ15分間と20分間、再びラトニック商務長官とそれも電話で会談できただけです。
アポイントを取ることもままならない状況。結局、ベッセント財務長官との会談は調整がつかず、赤沢大臣は30日の午後、日本に戻ることになりました。
■取引先“様子見”で工場悲鳴
ただ、こうしている間もすでに発動された関税の影響を受ける企業からは、切実な声が聞こえてきます。
村山鋼材 小林伸治倉庫部長
「いまだに(日米協議が)決着していないところを見ると、もう少し時間がかかるのだろう。その間は我々の業界も思い切ったことができない」
アメリカに輸出される大型トラックなど向けに鋼板を作っている企業です。自動車に対する25%の追加関税が発動されて以降、注文が減ってしまいました。
日米交渉の結果、関税が下がることを期待して取引先が生産計画を様子見していることが原因です。
小林倉庫部長
「まずは決着してもらわないと。関税が何%になるとか、それがはっきりしてから、(取引先が)動いてくるのだと思う。今のままだとフワフワしているから、早い段階で決着してほしい」
「相互関税」の一時停止の期限は、来月9日に迫っています。
ホワイトハウスの閣僚からは期限の延長を示唆する発言も相次いでいますが、トランプ大統領はFOXテレビのインタビューで「その必要はないと思う」と語っていて、先行きは不透明です。
(「グッド!モーニング」2025年6月30日放送分より)
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