激しい攻撃の応酬が続くイスラエルとイラン。多くの死傷者が出ているだけでなく、石油などエネルギーの関連施設も被害を受けています。
日本や世界には、どのような影響があるのでしょうか?
■「ホルムズ海峡の封鎖が最大のリスク」 日本の原油の約9割依存
山形純菜キャスター:
イスラエル側はイランに対し、核施設などを攻撃。イラン側がイスラエルに対して、ミサイル攻撃を続けています。
双方に死者が出ていて、イスラエルメディアによるとイスラエル側では22人、イラン保健省報道官によるとイラン側では224人だということです。
イランは、石油貯蔵施設の攻撃も受けています。
こうした中、ロイター通信によると、世界の市場関係者は「ホルムズ海峡の封鎖が最大のリスク」と話しているということです。
ホルムズ海峡は、日本にとっても非常に重要な場所です。
そもそもホルムズ海峡は、ペルシャ湾とオマーン湾に挟まれた狭い水路です。
狭い所で幅が約34kmとなっていて、対岸が見えるほどの距離だということです。そして、北側はイランに接しています。
ロイター通信によると、中東の原油産出国の多くが海峡を経由して、原油を輸出しているということです。
日本に輸出される原油の約86%が、ホルムズ海峡に依存しているということで、日本の“オイルロード”の要衝でもあります。
※経産省HPより
■「イランの意向を無視できない」 “ホルムズ海峡の封鎖”の可能性は
山形キャスター:
そんな、ホルムズ海峡が封鎖されてしまうのではないか、という心配の声が上がっています。
そもそもホルムズ海峡は、国際海峡のため、誰のものでもないそうです。
中東情勢に詳しい放送大学の高橋和夫名誉教授は「非常に狭いため、通過には海峡に接しているイランの意向を無視できない」といいます。
イランは、ミサイル部隊や高速艇などを沿岸に常に配備しています。
2024年、イスラエルとの緊張が高まった際には、「ホルムズ海峡を封鎖することは可能だ」と警告もしていました。
※ロイター通信より
元JNN中東支局長 秌場聖治記者:
世界の原油のニーズのかなり多くの部分が、ホルムズ海峡を通らないと目的地に着きません。その意味では、原油、ガスに依存している国々にとっては、非常に重要な海峡です。
それをわかっているので、何かあるとちょっかいを出して、緊張を高めようとするようなことは、これまで何度もありました。
出水麻衣キャスター:
実際に、原油価格も反応していますよね。
元JNN中東支局長 秌場聖治記者:
実際に起きるかどうかは別として、そういうリスクがあるということを織り込んでいるんだと思います。
井上貴博キャスター:
各国がひしめき合っている状況だと思いますが、どの国が最も主導権を握っているのでしょうか。
元JNN中東支局長 秌場聖治記者:
イラン、対岸のオマーン、このあたりはステークホルダーです。
サウジアラビア、UAE、カタール、バーレーンなどの国々は、海峡を通じて輸出しているので、影響は当然あります。
バーレーンには、アメリカの第5艦隊という軍がいます。この軍も、ホルムズ海峡について相当注目しており、アメリカにとっても重要な場所ということがわかります。
文芸評論家 三宅香帆さん:
イラン・イラク戦争のときも、「イランの周りはリスクがある」と言われてきたと思います。そのときも原油価格に影響を与えていたのですか。
元JNN中東支局長 秌場聖治記者:
そういったことも当然ありました。
文芸評論家 三宅香帆さん:
まだ何も起こってないけど、原油の価格に影響しているということですよね。
元JNN中東支局長 秌場聖治記者:
原油価格というのは、すべての価格に直結するので、生活費が今後上がっていくことになります。
文芸評論家 三宅香帆さん:
「日本の原油の約95%が中東経由」とも言われているので、日本経済にも大きな影響があるのではないかと思います。
元JNN中東支局長 秌場聖治記者:
実際にホルムズ海峡が封鎖されたときにどうするのか。エネルギーミックスなども考えていかなければなりませんが、うまくいっていないということです。
■封鎖なら石油価格“天井を超える”可能性
山形キャスター:
実際にホルムズ海峡が封鎖される可能性があるのか、放送大学の高橋和夫名誉教授に聞きました。
イランが輸出用石油施設などの攻撃を受けた場合、海上に船などを出して、海峡を封鎖する可能性もあるそうです。
そうなった場合、第3次オイルショックが到来し、日本を含め各国で石油の価格が“天井を超える”可能性があるとしています。
そして石油製品など、物価高騰で生活に影響も出てくるのではないかということです。
ただし、アメリカなど各国との衝突を避けるため、イランとしても、できるだけ切りたくないカードであるとも話していました。
井上キャスター:
きっとイランとしても、イスラエルとしても、引くに引けない状況にはなりつつあっても、一線を越えてしまいたくはないでしょう。
そうなると、今後の…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20250616-6243168)
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