ひとり暮らしの高齢者が増え、住宅の確保や孤立が心配されるなか、高齢者と若者が支え合って暮らす“新時代の賃貸住宅”が注目されています。
■若者にもメリットが
神奈川県藤沢市にある「ノビシロハウス亀井野」。一見、普通のアパートですが…。
住人 倉橋遼さん(32)
「この間、(高齢者の住人に)映画に連れて行ってもらいました。一緒に友達になれるとまでは思っていなかったので、良い体験」
大学生など20代の若者から90代の高齢者が住む、多世代共生型アパートです。
住人の高齢者と若者は日常的にコミュニケーションを取り、世代を超えた交流が生まれています。その仕組みの一つが、月に1回開催される「お茶会」です。各々が食べ物や飲み物を持ち寄って交流します。
住人(70代)
「年関係なしに、友達付き合いができる。おなか空いたらここに下りてきて、みんな知り合いだから、ちょっとおしゃべりして帰ったり。温かい空気が流れている居心地いい空間」
全国の65歳以上の高齢者は3625万人と過去最多となるなか、2050年には32道府県で高齢者のひとり暮らし世帯が全体の20%を超えると予測されています。
高齢者のひとり暮らしは賃貸物件への入居を断られることが多く、社会とのつながりが希薄化して孤独になりやすい問題もあります。こうした高齢者の不安を解消するために「ノビシロハウス」が生まれました。
ここに住むメリットは、若者にもあります。高齢者の見守り役として日常的な声かけと、月に1回のお茶会を開くことで、7万円の家賃が半額の3万5000円になります。
お金以外の部分で、価値を感じる若者もいるようです。
住人 張博怡さん(22)
「自分は一人っ子で、ここに来て初めて、他人のために何かを捧げることが思ったよりも幸せ」
今では空きが出ても直ぐ入居者が決まるほどの人気となったノビシロハウス。立ち上げたノビシロの鮎川沙代代表取締役は、「高齢者の老後の選択肢を増やしていきたい」と語ります。
「高齢者が賃貸を借りられるような社会にしたいという思いがあって。今は老人ホームや施設という選択肢しかないと思うけど、今後自由に選べるような社会になるといいなと」
(「グッド!モーニング」2025年5月26日放送分より)
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