年金生活の現実 「スキマバイト」で働く高齢者 支給日にコメ買えず断念する人も【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年4月28日)

年金生活の現実 「スキマバイト」で働く高齢者 支給日にコメ買えず断念する人も【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年4月28日)

 今月、今年2度目の年金支給日がありました。コメなどの食料品の高騰で、年金だけでは生活ができないという高齢者が増えています。年金受給者の中には、わずかな時間でも働ける“スキマバイト”を始める人も増えています。

■コメ高騰「生活苦しい」

 今年2回目の年金支給日だった15日。銀行のATMには多くの高齢者が並んでいました。いま、年金受給者の生活を苦しめているのは…。

年金受給者(85)
「野菜もこんな高くなるしね、野菜だけで倍以上になっちゃうんだからな」

年金受給者(84)
「ちょっと厳しいですよね、年金だけでは。貯めた貯金の切り崩しも、やむを得ないんじゃないかしらね」

 物価高が日々の生活を圧迫し、足りない分は貯金を切り崩して生活している人もいます。

 都内のスーパーでも、物価高にあえぐ声が…。

年金受給者(80代)
「おコメはちょっと大変ですね」

年金受給者(80代)
「おコメ(値段が)上がっているよね」

 スーパーに買い物に来る高齢者が口をそろえるのは「コメの高騰」。番組が去年12月に同じスーパーを取材した時の価格と比較してみると、同じ銘柄のコシヒカリが700円ほど値上がりしていました。

年金1カ月約8万円 年金受給者(70代)
「(コメが)高いから、本当は5キロの方が。2キロだとすぐなくなっちゃう。あと冷凍ご飯、5個パックの冷凍ご飯にして、おコメが安くなれば…5キロ頼みたいです」

 トラックドライバーの仕事をしていた男性。数年前、交通事故で右半身不随になり、仕事を続けられなくなったといいます。

年金受給者(70代)
「もう本当に涙が出ちゃう…。光熱費とリハビリ代とかあるからね。本当に手取りが少なくなります」

 1カ月におよそ8万円受給している年金のうち、食費などに回せるお金はひと月3万円ほどだといいます。

年金受給者(70代)
「節約しています。いくらぐらいするのか値段を見に」

 この日はおコメは買いませんでしたが、他に安いものがないか店内を回ります。実はこの男性、こちらのスーパーに来る前に、他のスーパーで値段をチェック済み。

年金受給者(70代)
「向こうの方が高いや。こっちの方が安いわ」

 他のスーパーより安くなっていたキムチを買うことにしました。次に向かったのが、好物である刺身のコーナー。

年金受給者(70代)
「結構するんだよね、値段。もう…買えない」

 年金を受け取った直後ですが、今後のことを考え、刺身の盛り合わせを諦めることに。

年金受給者(70代)
「なるべく無駄遣いしないようにして、必要なものだけ(ヘルパーさんに)頼んで買ってもらいます」

 続いて来店した女性。

年金1カ月約5万円 年金受給者(80代)
「(年金)少ないのよねえ、食べていけないよそれじゃ」

 女性が必ず立ち寄るというのが、賞味期限が短くなった商品や訳ありの商品を集めた見切り品のコーナー。

年金受給者(80代)
「ここはね、安いものを置いているのよ。まず皆、ここに立ち寄るの。安いのね。少しでも安いのがいいから」

 節約術は他にもあります。

年金受給者(80代)
「チラシに入っているものを見て、そこで選別しながら、じゃあきょうはこういうものにしようとか考えながら買ってます」
「(Q.お買い得商品をもとに献立を考える?)そうです、そうです」

 女性が1日に2回必ず食べるというのがおコメ。しかし、おコメ売り場には向かいません。

年金受給者(80代)
「やっぱりさ、高いでしょ。ごはん主義だからさ。日本人はコメが主食ですもんね。その主食取られちゃったんじゃあさ、どうしようもないよ」

 結局この日はおコメは買わず、パンコーナーに向かいます。すると…。

年金受給者(80代)
「(Q.20円引きのシールが)ああ、そう。20円ね。安いから買おう。20円でも」

 20円引きのシールを見てパンを買うことに。付け合わせにコロッケを探しますが…。

年金受給者(80代)
「かぼちゃコロッケないかな」

 お目当てのかぼちゃコロッケがなく、値引きシールが貼られているお惣菜のなかから酢の物を選んでカゴに入れました。年金支給日後の買い物を終えた女性は、次のように話します。

年金受給者(80代)
「いつもおんなじ。パンだけだからさ、ご飯のおかずじゃないから。同じなのよ、いつも同じもの。それでも何もなくてもここに来る。同じものでも何でもしょうがないよ。安いもので近場がいいでしょ」

■働く高齢者 広がるスキマバイト

 コメ高騰の影響は働く年金受給者にも。今、高齢者の間で増えているのが、短時間で好きな時に働ける「スキマバイト」。

田中さん(62)
「自分の好きな時に好きな仕事をやるわけですから。めっちゃいいです」

 田中さんは専用の募集アプリでスキマバイトに応募。事前に個人情報を登録しているため、履歴書や面接は必要ありません。

やよい軒 西上友規さん
「飲食店なので、お昼時・夕方・夜の忙しいピーク時間帯に、少なくて2時間、最大で4~5時間くらいで募集をしておりますね。非常にこちらとしてもありがたいなって感じですね」

 スキマバイトを始めて2年になるという68歳の女性。この日の仕事現場は神奈川の物流倉庫。

株式会社ギオン 菊池隆晴さん
「ピッキングっていう作業になります。棚から物を取ってもらう作業になりますね」

年金1カ月約7.5万円 68歳女性
「最初はちょっともう不安はありますね。でも、やっていくうちに段々覚えるので」

 スーパーなどから発注があった商品を正確に集めるのが主な仕事です。

68歳 女性
「行きすぎている。あれ?こっちだ。こっちだ。やっぱり場所によって、やり方が違うんですよね」

 この日は初めての現場に戸惑い気味。それでも…。

68歳 女性
「(Q.何を確認されているんですか?)日付を、期限ですね。日付を確認してる。あと、このバーコードですか、バーコードとか。それを確認しています」

菊池さん
「覚えはちょっと早いので。上手くどんどんこれからやってもらえればなと思います」

 すぐにコツをつかみました。

68歳 女性
「ちょっと大病した時があったんですけど、だんだん少しずつ良くなったら、今度は元は動きたがり症だから動きたくなって。それで息子にこういうのあるよって紹介されて」

 リハビリを兼ねて始めたというスキマバイト。好きな仕事を選び、自分のペースで無理のない時間で働けることに魅力を感じているといいます。

68歳 女性
「終わりました」
「(Q.全部達成しましたね)やりました。気持ち良いです!」

 この日、働いたのは2時間半。報酬は生活費にあてているといいます。

68歳 女性
「やっぱり生活費と、あとはお友達とたまに余裕がある時にはランチ行ったりとか。そのぐらいですね。(仕事現場に)時には上の方がいて70代かな。頑張っているから頑張らなきゃって思うんですよね」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年4月28日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

健康・暮らし動画カテゴリの最新記事