週明けのニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価が一時1300ドルを超えて下落しました。アメリカのトランプ大統領がFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長を解任するのではないかという懸念から為替も円高が進んでいます。
■トランプ大統領とパウエル議長…金融政策を巡って対立
日本時間21日午後10時すぎの投稿です。
トランプ大統領のSNSから
「多くの人が先手を打つ利下げを求めています。ミスター“遅すぎ”が今すぐ金利を引き下げなければ、経済は減速する可能性があります」
やり玉に挙げられていたのは、アメリカの中央銀行にあたるFRBのパウエル議長です。17日にも、次のような発言がありました。
トランプ大統領
「もし私が退任を望めば、彼は即座にあそこから去るでしょう」
アメリカ経済を支えるために“利下げを要求”するトランプ大統領と、関税政策でインフレが進む可能性があるとみて“利下げに慎重”なパウエル議長。金融政策を巡って対立するなか、トランプ大統領が「解任」をほのめかす発言を続けています。
本来、利下げは株式市場にとってプラスの要因ですが、週明けのニューヨーク株式市場では中央銀行の独立性を揺るがすことへの懸念から、ダウ平均株価は一時1300ドルを超えて急落しました。
影響は為替市場にも。じわりじわりと円高が進み、21日時点で円相場は7カ月ぶりに1ドル=140円60銭台を付けました。
外為どっとコム 調査部 中村勉研究員
「予想以上に円高が進行している。円が買われる動きとドルが売られる動き両方が相まって、円相場は140円台まで上昇している」
■今後、円高はどこまで進む?
ドルの信認が低下するとの懸念からドルが売られる一方で、日本の円にも高くなる理由があります。
22日に訪米する加藤勝信財務大臣と、ベッセント財務長官による日米交渉で、日本に「円安是正」を求めるのではないかとの観測が広がり、先回りして円が買われているのです。
今年の初めには1ドル=158円台だった円相場が、気がつけば1ドル=140円に。円高は輸入品の価格低下を通じてインフレを抑える効果があるため、適度な円高なら「容認できる」という見方もありますが、輸出企業の業績やインバウンド消費にとっては逆風です。
21日、日本に到着したばかりの外国人観光客を直撃しました。
外国人観光客
「(Q.日本の円が高くなってきているが、どう思う?)両替の時には損になってしまうので、円高だと計画を立てるのが難しいです」
外国人観光客
「以前に比べると、日本へ来るハードルは上がっている」
日本に来たい意思がある外国人4000人余りを対象にした調査では、円高の影響について「滞在中の消費を控える」という人が49%、「訪日をためらう可能性がある」という人も25%いました。そのうち、旅行を断念する為替レートとしては1ドル=140円になると「4割」、130円だと「6割」を超えています。
今後、円高はどこまで進むのでしょうか?
中村研究員
「円高の目安となるのが、去年9月の高値となる139円台の半ば。ここを上抜けた場合は、135円とか130円台の前半まで上昇する可能性はある」
(「グッド!モーニング」2025年4月22日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp