任期満了に伴う秋田県羽後町の町長選挙は、元町議会議員の佐々木康寛氏が初当選を果たしました。子育て世帯への手厚い支援はもちろん、あらゆる世代が暮らしやすい町を目指します。
羽後町長選で新人同士の一騎打ちを制した佐々木康寛氏(49)。町議会議員を辞職して今回の選挙に挑みました。
ーー当選の知らせを聞いた時の気持ちは?
「素直にうれしいという気持ちと、町長になるという責任感・責任の重さが同時に表れました」
選挙戦では人口減少対策を中心に訴えました。そこには強い危機感がありました。
佐々木康寛氏:
「2024度の町の出生数が32人。10年後、20年後、このままだと何人の子どもが残って、そのあと何人の子どもが生まれるのか」
子どもを育む町を目指す。子育て世帯への支援として掲げているのは、小中学校の給食費の無償化です。
佐々木氏を突き動かすのは娘の存在と自身の経験です。佐々木氏には20代の2人の娘がいます。これまで父親として子育てに没頭してきたようです。
ーー趣味は何ですか?
「趣味と聞かれると返答に困る。子どもたちからも『お父さん、趣味ないよね。子育てが趣味だよね』と。子どもを育てるために子どもたちと接する時間が若いころ多くて、子どもたちに『子育て終わったら何もすることないんじゃないの』と言われるくらい子育てに集中し時間を取ってきた」
一方で、町長挑戦を決意したのは子どものためだけではありません。子どもを育むと同時に、あらゆる世代が暮らしやすい町を目指すためです。
それには“にぎわい”が欠かせません。
町の一大行事は、毎年8月に行われ、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている『西馬音内の盆踊』。西馬音内地区にある商店街は、期間中多くの観光客でにぎわいますが、それ以外の日に人を呼び込むのが課題です。また、通り沿いにあるスーパーマーケットの跡地は活用方法が決まっていません。
佐々木康寛氏:
「スーパーの跡地にどういったものをつくるかが問題となっていて、住民の皆さんも注目している。民間目線・住民目線の行政を行いたいと強く訴えてきたので、どういったことを望んでいて、町のにぎわいをつくるためにはどういった施設が必要なのか、場所が必要なのか。住民の皆さんとしっかりと検討しながら進めていきたい」
「住民目線で誠実に」。佐々木氏の町長としての挑戦が始まります。
佐々木康寛氏:
「町づくりのためには、子どもから高齢者まですべて隔たりのない人口構造が必要。少しでも人口減少に歯止めをかけたい」