安全保障とともに、日本にとっては大きな問題となっているトランプ関税。日本に対抗策はあるのでしょうか。
■「関係終わり」カナダは敵意
武藤容治経済産業大臣
「米国の関税について各国の関心も高く、バイ(個別)会談で情報交換を行った」
30日に行われた日中韓3カ国の経済貿易大臣会合。中国側からは、日本へのラブコールが。
中国の担当者
「中韓日は地域と世界の重要な経済圏として、自由貿易と多国間貿易体制を守り、一国主義と保護主義に反対するべきです」
法外な関税を掲げ、世界を大混乱に陥れているトランプ政権。来月3日に、アメリカが輸入する自動車すべてに25%の関税を上乗せすると予告しています。
野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト
木内登英氏
「日本のGDP(国内総生産)を0.2%くらい押し下げる。(日本は)毎年成長する力が0.5%しかなく、半分近く(に相当)」
そんなアメリカに、敵意をあらわにする国もあります。
カナダ カーニー首相
「アメリカの関税に対し、我々は貿易上の行動で独自に戦う。経済統合の深まりと、緊密な安全保障と軍事協力に基づくアメリカとの旧来の関係は…もう終わりです」
隣国・カナダのカーニー首相は今後、報復関税に踏み切り「アメリカに最大規模の影響を与える」と警告しました。
■トランプ氏に“対策カード”は?
トランプ大統領が好む「取引(ディール)」で必要なカード。エコノミストの木内氏によると、ウクライナにはなかったカードが日本には2つあるといいます。
1つ目は「非関税障壁の緩和」です。日本への自動車の輸出を増やしたいアメリカは、長年、環境基準や補助金など、関税以外にも壁があると考えています。こうした「非関税障壁」を見直せば、不満がおさまるというのです。
そして2つ目は「アメリカ国内の反発」です。自動車をはじめ、日本製品が値上がりしてアメリカ国内から批判が高まれば、政策変更を余儀なくされるとみています。
カードは他にないのでしょうか?
木内氏
「有力なカードはないと思います。安全保障上、アメリカに依存する部分が大きく、日米関係を決定的に悪化させたくない思いが日本側に強い」
身勝手なルールを押し付ける、トランプ大統領。それだけでなく、こんな要求もしました。
トランプ大統領
(ウォール・ストリート・ジャーナルによると)
「(アメリカ自動車業界は)関税を理由に値上げしない方がいいでしょう。ホワイトハウスはそのような動きを好ましく思わない」
トランプ大統領本人はその後、現地メディアに「決して言っていない」「値上げしても一向に構わない」と答え、報道を打ち消しました。
ハッタリではなく、本当に大規模関税に踏み切るのか。世界が固唾を飲んで見守っています。
(「グッド!モーニング」2025年3月31日放送分より)
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