来月から全国で電気・ガスなどの公共料金が値上がりする。また、水道料金が4割値上がりする地域もあり、市民らが無料の給水サービスに駆け込む姿も見られている。
■ディスカウントストアの無料給水に殺到
70代
「(Q.水道料金が40%値上がりしたら?)本庄市から脱出しようかなと」
来月から水道代を平均でおよそ40%値上げする埼玉県本庄市。その理由について市はこのように説明する。
本庄市役所 水道課
大島一弥主幹
「どんどん耐用年数が来てしまっていて、水道管を変えていく工事が必要となってきていることからですね、水道料金の方の見直しをさせていただいたと」
全国で相次ぐ水道管の破裂事故。老朽化する水道管の更新が必要とされている。
そんな中、40%の水道代値上げとなる本庄市内のディスカウントストアでは、空のポリタンクを手に次々と来店する人々がいた。その理由を尋ねると…。
70代
「会員になっているからタダなんですよ。これきれいな水なので、くませてもらっている」
会員登録し、専用のポリタンクを購入すると無料で給水サービスが利用できるという。
80代
「水道はどうしようもない。年金暮らしだもの、そりゃ痛い」
50代
「水道の使い方を見直すとか、工夫するしかない」
ほぼ毎日、この給水サービスを利用しているという女性。自宅に伺うと…。
給水サービスの利用者
「(Q.結構タンクあるんですね?)そうなんですよ」
「(Q.何個あるんですか?)6個」
1つ4リットル入るポリタンクが6つ。およそ24リットルの水をストックしていた。
給水サービスの利用者
「これだけあれば、いろいろ安心かな。これがポット。ポットで飲む水に使っている。そしてあとは、おつゆを作るのに使っている」
「おいしい。本当に助かるね」
「料理で1本。ポットでお茶飲むので1本。1日で8リットルは水道代の節約です」
■ラーメン店「衝撃的」月に5000円以上アップ
水道代高騰の影響は飲食店にも及んでいる。
味良久
飯島義行店主
「ほぼ一日中、水とお湯は出して使っている状態」
麺をゆでる時やスープを仕込む時にも必要になる大量の水。そんな必要不可欠な水の値上がりについてこのように話す。
飯島店主
「ええ、としか言いようがないですね。いきなり40%値上げは聞いたことがなかったので。結構、衝撃的」
この店では月の水道料金がおよそ1万3000円。これが4月以降の値上げで、月に5000円以上負担が増えることに。
飯島店主
「正直きつい。毎月のことなので。水の節約はもちろんしますけど、減らすことはできないと思う」
■3倍以上の値上げ ごみ袋争奪戦
生活必需品の値上げは他にも。
60代
「急に出たような話だったので、ちょっとびっくりという感じで。えぇ3倍って驚きました」
茨城県潮来市で市民が困惑しているのがごみ袋の値上げ。10枚1セットのごみ袋が、一気に3倍近い値段に。潮来市では市が指定した有料のごみ袋を使う必要があるが、資源物専用のごみ袋が来月1日から値上げされるのだ。
値上げ前にごみ袋の争奪戦が勃発。市内の店舗から次々とごみ袋が消え、品切れ状態に。
ヤックスドラッグ潮来店 河村敬司店長
「並べた瞬間にもうなくなっちゃうんで。想定外ですね」
別の店では…。
草野広酒店 草野玲臣奈店主
「900枚。3箱買っていた方もいらっしゃいます」
1月末に値上げが発表されると、徐々に買い占めの動きは強まり、2月末には売り切れが続出。市民の間では…。
市民
「潮来市の黄色いごみ袋変わるの知ってる人??どこにも売っていない…」
「潮来のセイミヤ売ってるよー」
「まぢ?さっき、タイヨー見たけどない」
動揺が広がる中、潮来市は1世帯1セットまでの購入を市民に要請。しかし、事態は収まらず、ついには市内から資源物用のごみ袋がほぼなくなった。
ごみ袋が残り数枚になった女性はこのように話す。
60代
「(ペットボトルを)潰して、もう1カ月に1つぐらいにまとまるように出すしかないかな」
さらに、こちらの女性も…。
50代
「本当はきのう出すはずだったんですけど、ちょっとまだ入るかなと思って。(捨てるのを)もうやめて。こういう卵のパックは重ねて、かさを減らすようにしたりとか」
プラスチックははさみで小さく切ってから重ねたり、納豆のパックも数枚重ねるなどかさを減らすようにしているという。
50代
「今いろんなものが物価高なので、ちょっとごみ袋までってなると困ってしまいますよね」
なぜごみ袋の値上げに踏み切ったのか。市はこのように説明する。
潮来市 環境課 安藤正幸課長
「新型コロナウイルスの感染の影響、原材料の高騰と人件費、輸送価格の高騰。これの上昇があったので、潮来市としても値上げをせざるを得なく、価格改定ということになりました」
市は期限付きで資源ごみを市販の透明袋でも回収する対応を取るという。
■大人気!キャベツ抱え放題 16玉も
水道代やごみ袋だけではなく、来月は4000品目以上の食品が値上げの見込み。生活を守るため、あるスポットが人気になっているという。
千葉県木更津市にある道の駅にできたおよそ140人の大行列。そのお目当ては「キャベツの抱え込み放題」。高い時には1玉1000円ほどしていたキャベツがわずか500円で大量にゲットできるため、多くの人が参加していた。
客
「(並び始めたのは)朝6時から。キャベツは今高いですからね。初めてなんで目標は8個」
制限時間1分以内にキャベツを抱え5秒間静止できたら、持ち帰ることができるルール。ただし、抱えきれず落としてしまったものは持ち帰ることはできない。
参加者の多くは途中でキャベツを落としてしまい、持ち帰るのは平均で10玉前後。
中には、大量ゲットを目論む強者も。その数なんと16玉!この日店内で売られていた同じサイズのキャベツが、1玉およそ350円で売られていたため5100円もお得に。
道の駅木更津 うまくたの里
石原晧介駅長
「昨今、お野菜の価格高騰であったり、不作であったり手に取りづらい状況が続いている中で、地元のおいしい野菜を好きになっていただけたらなと思ってる」
■弁当詰め放題 おかず60種類以上
生活を守るお得な店は他にもあった。
東京・江東区の弁当店では、詰め放題が人気に。3種類ある容器から好きなサイズを選んだら、ご飯と60種類以上あるおかずを好きなだけ入れることが可能。毎日訪れているという男性は…。
客
「あしたお休みということなので、きょうは3つ作らなきゃ」
さらに、子連れで来店していた女性はこのように話す。
客
「物価が高くなっているなかで、ありがたい価格でいつも提供してくれているので、よく来ちゃっています」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年3月19日放送分より)
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