ウクライナ情勢を巡って、各国の駆け引きが激しくなっています。国連総会では、ロシアへ即時撤退を求める決議にアメリカが反対したほか、G7=主要7カ国首脳会議でも共同声明をまとめる作業が難航しています。
■「戦争終結望む」トランプ大統領
ロシアによるウクライナ侵攻から3年となる24日。G7首脳によるテレビ会議が開かれました。
会議に同席したウクライナのゼレンスキー大統領は、G7の結束維持を強く呼びかけました。
ゼレンスキー大統領
「ロシアと交渉する際には、アメリカ、ヨーロッパ、そしてウクライナという自由の擁護者がテーブルにつくように協力することが不可欠です。それでこそ、真の和平交渉が実現するのです」
アメリカとロシアの間で進む不利な停戦交渉。対立が深刻になっているトランプ大統領にはこう語りかけました。
ゼレンスキー大統領
「我々は経済協定について、ワシントンで署名したいと考え、アメリカと建設的に取り組んでいます。そして、トランプ大統領、私たちは本当にあなたの声を聞きたいと思っています」
これまでの戦費としてウクライナに眠るレアアースの半分をよこすよう要求されたゼレンスキー大統領。いったんは拒否しましたが、条件を詰めることに同意しました。
トランプ大統領(ロイター通信から)
「ゼレンスキー大統領は鉱物資源協定に署名するため、今週か来週にアメリカに来る可能性があります」
停戦を強引に進め、ロシア寄りの姿勢を鮮明にするアメリカ。G7会議後、トランプ大統領はSNSに「誰もが戦争の終結を望むという目標を表明した」と記しました。
■ロシア即時撤退 アメリカが反対
共同声明では「ロシアによる侵略」という文言を盛り込むことにアメリカが反対していると欧米メディアが報じています。
G7出席後、石破茂総理大臣はこう述べました。
石破総理
「共同声明については、なお作業中であります。だいたい首脳間の発言に主たる対立があったとは思っておりませんが、共同声明の内容については、事務方で調整している状況が続いているということであります」
国連総会でも、ロシアによるウクライナ侵攻開始から3年になるのを合わせ緊急特別会合が開かれました。
ロシア軍の即時撤退などを求めるヨーロッパ主導の決議が賛成多数で可決されましたが、アメリカやロシアなど18カ国が反対し、中国やインドなど65カ国が棄権。アメリカとヨーロッパの対立が浮き彫りになっています。
(「グッド!モーニング」2025年2月25日放送分より)
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