「民主主義を破壊」批判も…マスク氏は“影の大統領”?標的はUSAID【報道ステーション】(2025年2月12日)

「民主主義を破壊」批判も…マスク氏は“影の大統領”?標的はUSAID【報道ステーション】(2025年2月12日)

アメリカのトランプ大統領は、各省庁が『政府効率化省』を率いる実業家のイーロン・マスク氏と協力するよう指示する大統領令に署名しました。息子とともにマスク氏は、ホワイトハウスの執務室で署名に立ち合いました。

イーロン・マスク氏
「2兆ドルの赤字を放っておけば、この国は破産してしまう。選挙で選ばれていない憲法違反の第4の機関、官僚機構が存在し、選挙で選ばれた代表者よりも大きな権力を持っているのです」

“政府効率化”という名のもと、ターゲットになっている組織があります。
USAID=国際開発庁。世界各地の紛争や貧困にあえぐ人々に医療や食料など、人道支援を行ってきた組織です。全世界で1万人以上いる職員のほとんどを削減する計画と伝えられています。

マスク氏の投稿(3日)
「週末は、USAIDを木材粉砕機にかけることに費やした」

職員は「休職せよ」と通知され、庁舎からは、すでに看板の文字が取り外されました。さらに、教育省も解体の危機です。

民主党 フロスト下院議員(7日)
「教育省に抗議に来ましたが、中に入れてもらえません。『一般通用口』と書いてあるのに、謎の男性に拒まれています。イーロンやその用心棒は入れるのに、国民の代表者が締め出されています」

“政府効率化省”は、大鉈を振るい、政府機関の解体を図る一方で、その実態はベールに包まれています。

政府効率化省の中心になっているといわれているのが、ビジネスを通じてマスク氏と知り合った10代~20代の若い面々。今までは、特定の政府職員だけに認められていた財務省の決済データにアクセスできるようになったそうです。

民主党 シューマー上院院内総務(4日)
「イーロン・マスクと少数の人々が、私たちのプライバシーやお金、持ているものすべてを密かに奪うことを決して許してはなりません」

いま、マスク氏に歯止めをかけられるのは裁判所です。USAID職員の休職や、財務省データへのアクセスについては、一時、差し止めを命じています。

アメリカ トランプ大統領
「汚職を排除したい我々を、裁判官が止めようしている。短期間で何億ドルにも相当する不正を見つけたのに。裁判官を調べるべきか、深刻な違反だ」

タイム誌の表紙を飾ったマスク氏。座るのは、大統領執務室のデスクです。

そもそもマスク氏は、宇宙開発から電気自動車、SNSまで手掛ける世界一の大富豪。選挙で選ばれず、議会の承認も経ていない企業経営者が、政府でトランプ大統領を超える実権を握るのではないかという見方が広がっています。

抗議集会の参加者(5日)
「マスクら財務省でしていることは、完全なクーデターです。選挙で選ばれていない人たちが民主主義を破壊しています」

抗議集会の参加者(3日)
「トランプ氏はマスク氏の“操り人形”。選挙で選ばれてもないのに、政府の情報を手にしています。取り戻さなければ」

歴史家 ティモシー・スナイダー氏
「人権と尊厳を尊ぶアメリカ人に対して、クーデターが進行中だ。気づかれないまま、時間が経つほど、クーデターは成功に近づく」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2025
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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