【利上げ】日銀が政策金利を引き上げ→銀行からお金が借りにくくなる 私たちの生活への影響は (2025年1月24日)

【利上げ】日銀が政策金利を引き上げ→銀行からお金が借りにくくなる 私たちの生活への影響は (2025年1月24日)

日本銀行は1月24日、政策金利を「0.25%程度」から「0.5%程度」に引き上げることを決めました。私たちの生活はどう変化するのでしょうか?

日銀の利上げ、リーマンショック直後の水準に

日本銀行 植田和男総裁:
「名目賃金や雇用者所得は増加を続けると見られ、我が国の経済は所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられます」

2024年7月に続く利上げで、政策金利はリーマンショック直後の2008年10月以来、約17年ぶりの水準となりました。

記者:
「取引市場の昼休み明け直前に政策金利の引き上げが発表されました。取引が再開されると、日経平均株価は一時上昇しましたが、その後、大きく下落するなど敏感な反応を見せています」

前場終了間際、4万200円前後で推移していた株価は、政策金利引き上げの発表直後、いったん上がりましたが、その後は売り注文が入り、一時3万9800円台まで下落。その後は持ち直し、終値は23日に比べて26円安い3万9931円でした。

専門家は今回の日銀の利上げをどう分析するのでしょうか。みずほ証券名古屋支店の田中政敬副支店長に話を聞きました。

みずほ証券名古屋支店 田中政敬副支店長:
「1月の日銀支店長会議で、高水準の賃上げ継続について良い感触が得られたほか、トランプ大統領の就任後、少なくとも現在まで大きな市場の混乱、株価急落や円急騰がなかったこと、展望レポートにおいて物価見通しが引き上げられ、上振れリスクの方が大きいとの判断が維持されたことが挙げられます」

日銀がさらに利上げに踏み切る可能性については、「経済・物価が予定通りに進む限り、段階的に利上げ局面は続く」と分析します。

田中副支店長:
「利上げペースは、半年に1回程度を標準としつつ、経済や市場動向、特に株安、円安リスクのバランスを見ながら、利上げのペースやタイミングを調整するものと考えます」

利上げによる生活への影響は

そもそも「利上げ」とは、物価の上昇を抑えるために行います。日銀が各金融機関へのお金を貸し出しを締め付けます。つまり、私たちも銀行からお金が借りにくくなる状況になるのです。

住宅ローンでは、変動金利の住宅ローンは利率がアップ。普通預金、定期預金に関しては、資金を集めたい銀行は預金の利率をアップして幅広くお金を集めようとします。

そして企業も銀行からお金を借りづらくなるため、経済活動はマイナスの方向に向かいます。消費者に物を買ってもらおうと、企業は物の値段を下げるように。日米の金利差も縮まるので円安がおさまり、輸入品が安くなることも予想されます。

物価は安くなりますが、企業がお金を借りづらくなる状況は続きます。そうなると、企業の生産活動は冷え込む可能性もあるのです。景気を好循環させるためにも2025年、中小企業も含めて賃上げをして、消費を冷え込ませないことが鍵となりそうです。

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