「観光」と「暮らし」共存の難しさ 北海道人気スポットのシラカバ並木、すべて伐採【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年1月16日)

「観光」と「暮らし」共存の難しさ 北海道人気スポットのシラカバ並木、すべて伐採【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年1月16日)

 北海道美瑛町の観光名所として知られるシラカバ並木。14日、このシラカバが38本が根元から切り倒されました。

■強烈寒気…吹雪も

 夜になり、青森に再び大粒の雪が降りました。街灯には“つらら”もできていました。

 除雪が進んでいた道に、また雪が積もり始めています。

 15日午後8時ごろ、北海道滝川市から深川市へと向かう道中で撮影された映像です。猛吹雪で視界が遮られ、少し前を走っている車がかすんでいます。

 強い寒気の影響で、15日夜から北日本の日本海側で大雪となりました

■絶景シラカバ並木…ごっそり伐採

 15日、北海道石狩市は無数の雪が風に舞い吹雪となっています。

 北海道のほぼ中央に位置する美瑛町には、15日も多くの外国人観光客の姿がありました。

韓国からの観光客
「この美瑛の風景は、韓国にあまりないです。韓国は寒いのに雪があんまり降らないので」

上海からの観光客
「雪の景色の中に生えてる木が、とても好き。上海では雪が(降らず)見られないから」

 広大な土地にポツンと1本だけ立っているカシワの木。40年以上前に観光タバコのパッケージに掲載されたことで「セブンスターの木」と名付けられ、今や美瑛町で屈指の観光スポットとなっています。

 しかし、異変が起きました。

 4日前の映像では、手前にあるのが「セブンスターの木」で、その奥には38本もシラカバの木が立ち並んでいます。

 しかし、そのシラカバの木がごっそり伐採されていたのです。

台湾からの観光客
「元々、あそこの木も撮る予定だったけど、切られたのはちょっと残念」

地元のタクシードライバー
「あの状況から考えたら、仕方ないかなと思いますね」

■苦渋の伐採…観光公害の現実

 伐採された理由の1つが、観光客のマナー違反でした。

 観光客が広がって写真を撮っている場所は、実は車道だったのです。中には寝そべって、ポーズを決める人もいました。

 観光客が車道に広がっているため、通行する車はクラクションを鳴らしながら走行しています。持参したソリで駐車場内を滑る観光客もいました。

 美瑛町の雄大な自然は、海外の観光客から屈指の映えスポットとしてSNSや口コミで人気が高まり、人口1万人に満たない町には昨年度はその200倍を超える239万人もの観光客が訪れていました。

 そんな中、一部の観光客のマナー違反が問題になっています。

 辺り一帯が雪で覆われていますが、シラカバ並木の周辺には畑が広がっています。その畑に無断で侵入する人や、迷惑駐車などが横行し、地元の人たちの「悩みの種」となっていたのです。

美瑛町農林課 平間克哉課長
「景観形成の一部であるということもありますけれども、農業に影響が大きいということであれば、伐採についてはやむを得ない」

 迷惑行為の他にも、並木によって日が遮られ農作物の収穫量が減るなどしたため、町と住民が協議した結果、14日の朝にシラカバ並木は伐採されました。

地元のタクシードライバー
「北海道を代表するシラカバの木ですから、それが切られたっていうのは、ちょっとなあとは思いますけど」

30年以上並木を見続けてきた人
「誰も来ないとこでしたけど、だんだん有名になってしまって。それはそれで良かったんですけど、ある程度を超えてしまったのが今の状況だと思う」

 美瑛町の担当者が口にしたのは「観光」と「暮らし」の共存の難しさでした。

平間課長
「デメリットが多いということになっていくと、農業と観光を維持していくのは難しくなってくると思いますので、バランスを取りながら、町としては進めていければなと」

■積雪脅威…集会場押し潰す

 青森市では15日、大粒の雪が降りしきり、道を行く人の姿もぼやけてしまうほど。木の枝にも雪が積もり続け、道路は白い霧に包まれたように見通しが悪くなっています。

 青森市の南に接する黒石市では、がれきの山に雪が積もっていました。このがれきは町の集会場でしたが、原型をとどめないほど潰れています。

 屋根を支える柱は折れ、外壁は崩れた屋根によって押しつぶされ、雪がいかに重いのかが分かります。

東新町町会 千葉健一会長
「いや~信じられない感じです。こんなことが起こるとは」

 前日の夜は、この集会場で10数人の人たちが集会を行っていたといいます。

千葉会長
「(Q.集会中に倒れたら?)想像もつかないくらいの人的被害が出ていたと思います」

 幸い、この倒壊でのけが人はいませんでした。

■新学期の児童…2メートルの「雪の壁」通学路に危険も

 15日、青森市内の多くの小学校では新学期を迎えました。降り積もった雪の中を児童たちが登校していきます。

 登校日に向け、前日に保護者や教員たちが行っていたのが、通学路の雪かきです。

 青森市立佃小学校でも、保護者や教員など30人ほどで危険な場所の除雪作業を行い、通学路を整備しました。

佃小学校 徳差豪教頭
「あの開いているところ(横断歩道の)見やすいように広げたり。(雪の壁の)上の部分をカットして、左右を見やすいようにしたり。今年特に(雪の壁が)高いので」

 新学期の授業を終えた午後1時半、およそ440人の児童全員が下校しますが、降りしきる大粒の雪で視界が遮られます。

 保護者たちが除雪したとはいえ、通学路にはまだまだ危険な場所もあります。

 幹線道路沿いには、車道と歩道の間に2メートルほどの高さで積まれた雪の壁があります。大人でも雪に隠れて見えない高さです。

 雪はさらに強くなる中、小学1年生の娘を小学校まで迎えに行く母親がいました。

小学1年生の母親
「すごい心配で、お正月あたり(積もった)雪山が心配だったので。(雪で埋まり)歩道もない道も多かったので」

 すでに娘は学校を出たと聞き、通学路の途中で会うべく学校に向かいますが…。

小学1年生の母親
「ぜんぜん来ないですね。学校着いちゃいますね」

 小学校まであと少しという時に、無事に娘と合流。一緒に家へ帰って行きました。

小学1年生の母親
「あっ多分、うちの子の気がする。お帰り、お帰り。心配だったの?無事に会えました」

小学1年生の娘
「(雪が)いっぱいで前が見えなくて通りづらい」

 青森県など北日本では16日夜から一気に雪が強まり、17日にかけて大雪や吹雪に警戒が必要です。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年1月16日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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