電話機は近隣住民で共有、団地が増え生活様式一変…激動の時代「昭和」の思い出【ワイド!スクランブル】(2025年1月10日)

電話機は近隣住民で共有、団地が増え生活様式一変…激動の時代「昭和」の思い出【ワイド!スクランブル】(2025年1月10日)

 戦前、戦中、戦後、高度経済成長など、激動の昭和時代は人々の生活にどのような影響を与えたのか。昭和の時代を生きた人々を取材した。

■「昭和レトロ」再現の街並み 東京・青梅市

 「昭和レトロ」を感じさせる町として知られる東京・青梅市。現在「昭和の猫町」をうたい、町のあちこちにネコのオブジェやネコのパロディー映画看板などで、散策の目を楽しませてくれている。

 平成生まれの駒見直音アナウンサーが旧青梅街道沿いで最初に見つけたのが、木造のバス停留所。今も都バスが止まる現役のバス停だ。

 一説には「昭和レトロ」という言葉は青梅が発祥との説があり、横丁には昭和の風情を残した街並みがある。

 かつて3つの映画館があった青梅には、看板を描く職人が何人も住んでいたという。古民家を改装して造られた昭和幻燈館には、そんな映画の記憶が展示されている。まさに、昭和へタイムスリップ。

昭和幻燈館 横川律子さん(85)
「(Q.昭和って、どんな時代?)昭和って隣り合わせが、みなさんすごく仲が良くて。とっても良い時代でした」

■電話機は共有…懐かしい「昭和」の思い出

 激動の昭和は私たちの暮らしを大きく変えた。高度経済成長期を迎えた昭和30年代から40年代、団地の建設が盛んに行われ、ブームとなった。当時のニュースでは…。

東映ニュース 1968年(昭和43年)3月6日
「90番」
「抽選に一縷(いちる)の望みをかける。倍率は平均112倍」
「日本住宅公団だけでも、全国に38万戸。120万人が団地に住む。コンクリートの巣箱から一斉に飛び立つ働きバチ。団地サラリーマンの朝は早い」
「隔絶された部屋ごとに、それぞれの城を守る主婦たち。無限にエスカレートする購買意欲。所狭しと並ぶ道具類に、2DKの空間はほとんど占領されている」

 都内の巨大団地群の一つ「光が丘パークタウン」。総戸数1万2000戸を擁する団地だ。この団地でボランティア活動を行っているグループに9日、話を聞いた。

光が丘ボランティアの会 小山謙一会長(82)
「(Q.団地の魅力は?)団地入ると家賃が安いと教わっていたから」

84歳
「冷蔵庫(のスペース)が付いて、キッチンがこんなふうになって。そう、あれがもう憧れ。現代的なお風呂があって、お手洗いも付いて」

 戦後の復興期、自宅に風呂のない家も多く、銭湯通いをしていた人がほとんどだったという。

86歳
「みんな友達同士で行くからね。学校から帰ってきたら、みんなで一緒に行って。みんなでわいわい遊びながら、入って楽しかった」

 「三種の神器」の一つ、洗濯機については次のように話す。

81歳
「洗う所と、隣が二槽式で脱水するのがあったの。近所にないからね、脱水させてくれって来たよ、みんな」
「(Q.脱水機ない時は?)ローラーでね、間に挟むとローラーで(絞れる)」

 昭和30年ごろはまだ洗濯機が高価なため、「文化洗濯場」と呼ばれるコインランドリーのような場所が繁盛。使用料は30分30円だったという。

81歳
「(Q.みなさんの家に電話は?)呼び出し」
「(Q.呼び出しとは?)うちの場合は、前の家に金持ちがいたの。そこに電話があって、電話がうちに来ると呼びに来て、行って」

84歳
「電話持っている人は大変よ。『電話が来たよ』って言いに行かなきゃいけないから。番号教えなくても、みんな自然と覚えちゃって」

90歳
「私は農協がそばだったのね。彼氏に電話しようと、そこまでいかなきゃいけないけど、行って電話して、楽しかったけどね」

■戦争を終え…米軍家族の下で働く思い

 地元で生まれ、現在この団地に一人で暮らす前田勝人さん(94)に、戦後について聞いてみた。

前田さん
「昔、陸軍の飛行場だった所の跡に米軍が進駐してきて」

 この「光が丘パークタウン」の場所は、戦後まもなく「グラントハイツ」と呼ばれるアメリカ軍家族の住宅地として使われていた。

前田さん
「『グラントハイツ』のいわゆる“ハウスボーイ”という家の掃除や料理、いろいろなことをやる仕事があったんですよ」

 前田さんはアメリカ軍の大佐の家を任され、およそ18年“ハウスボーイ”として働いた。そして、妻の美津子さんとの出会いも「グラントハイツ」だった。

前田さん
「(Q.グラントハイツなくなった思いは?)同じ人間と思われてね。戦争は負けたんだけど。(なくなって)ちょっとさみしい、悲しい思いをしましたよ」

 前田さんにとっての“激動の昭和”は、ここ「光が丘」にあった。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年1月10日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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