「ウニはもうピークですよ」函館市恵山岬沿岸で座礁中のタンカーから重油流出 地元の漁師ら影響を心配

「ウニはもうピークですよ」函館市恵山岬沿岸で座礁中のタンカーから重油流出 地元の漁師ら影響を心配

岩原宏之カメラマン)
「座礁したタンカーから重油が漏れたのでしょうか、海面に油のようなものが見えます」。

8日午前6時前、函館市の恵山岬沿岸で座礁中のタンカー「さんわ丸」から「燃料の重油が流出した」と函館海上保安部に通報がありました。海保によりますと船底付近の燃料タンクが破損し、タンクには59キロリットルの重油が入っていたということです。
「さんわ丸」の乗組員らは重油が広がらないようオイルフェンスを張る作業を行いました。
しかし・・・

柳元貴成カメラマン)
「沿岸の石には油が付着しています」

すでに海岸には「さんわ丸」から漏れたとみられる油が漂着し、地元の漁師からは影響を心配する声が聞かれました。

地元の漁師)
(Q:油が流出しているが海産物に影響は?)「考えてますよ大変ですよ」、「ウニだとかアワビとかあるんだけど、ウニはもうピークですよ」、「(被害が)どの程度になるかまだわからないけど、(油が)結構流れて影響があるからみんな心配じゃないですか」。

岩原宏之カメラマン)
「座礁したタンカーが若干傾いているようにも見えます」。

また、「さんわ丸」はおよそ5度、右に傾いていて、「船外に退避したい」と救助の要請を受けた海保は、乗組員11人のうち7人を救助しました。愛媛県の会社が所有する「さんわ丸」は2018年就航。今回は商船三井のグループ会社・旭タンカーが運航し、およそ3800キロリットルの軽油と灯油を積み混んでいました。

海保によりますと、「さんわ丸」は6日あさ、苫小牧港を出て秋田県の港に向かっていました。しかし、実際に進んだ航路をみると、津軽海峡へ入ろうとしたあたりで、急に北側に進路を変え、恵山岬沿岸で座礁しています。なぜ、進路を変えたのでしょうか?専門家は。

神戸大学大学院海事科学研究科海洋政策科学部・若林伸和教授)
「岬に向かってそのまま突っ込んでいってる感じがするので、全く減速とかもしてない感じですし、ちょっと不可解な動きであるということが言えると思います」、「舵が効かなくなるというようなのが典型的なトラブルだと思いますけれども、あとは人為的なミスで自分の位置が全然わかっていなかったっていうようなことも可能性としてはあります」。

船体の引き出し作業は8日の午前中に行われる予定でしたが、重油漏れの処理を優先するため9日以降に延期となりました。専門家は岩場に乗り上げた船の引き出し作業は難航する可能性があると指摘します。

神戸大学大学院海事科学研究科海洋政策科学部・若林伸和教授)
「本当は貨物の油を抜くと喫水が浅くなって再浮上させやすくなりますし、船自体が軽い状況で潮が十分に上がってくれば離礁させるのはそんなに難しいことではなくて、そういう状況にまでうまくなるかどうかというのを含めて待つ必要があるかもしれない。そうすると最悪1週間ぐらいはかかる可能性があります」。

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