■被災のたび孤立 住民戻れぬ「深見」
被災地を襲った記録的豪雨。海沿いに点在する集落は地震に続き、再び孤立。およそ50人が暮らしていた輪島市の門前町深見も甚大な被害を受けました。
豪雨から2週間後。地震で被災し、仮設住宅で暮らしていた川崎清さん(73)の自宅です。1階が土砂にのみ込まれました。
それから2カ月が経った深見。しかし、今も人々の暮らしは戻ってきていません。戻ることを希望しているのは、半数に満たない10世帯。いつになれば帰れるのか、誰にも分かりません。
■集団避難の「七浦」住民の9割戻る
一方で、2度の被災を経て、住民のほとんどが戻ってきた地域もあります。
同じ門前町にある七浦地区。去年9月の豪雨の後から月に一度、体操やお茶などを楽しむ集会が開かれています。
七浦地区の住民
「久しぶりに見る顔の人もいる。よかったね、来られてって」
「(地震と水害で)それこそ死んでもいいわって思ったけど、今はそうではない」
11月には避難先から住民の多くが戻り、およそ9割がこの場所に住み続けることを選びました。
七浦地区は地震に続き、豪雨で5日にわたり孤立。顔見知りの住民同士がまとまって地区を離れることが決まりました。この集団避難が地域の結び付きを維持することにつながりました。
ボランティアの力を借りて運営している集会も、人々の心のよりどころになっています。
七浦地区区長会長 伏見孝一さん(75)
「物を持ち寄ったり、助け合ったり、今まで以上に多く見られるようになっています。(地域で)協力する、連帯する力が強くなっている」
■過疎化に危機感 故郷に戻る若い世代も
船津由香さん(38)は地震から3カ月後、ふるさとに帰りました。学校を卒業後、関西で働いていましたが、今は農業を勉強しながら、荒れた土地を花畑に変えようとしています。
七浦地区出身 船津由香さん
「ここいいな、ここ住んでみたいなって思う人がいてくれて、来た人に使ってもらえるような畑とか田んぼとかで残せていけたらな。(故郷は)なくなるしかないのかなとか思ったりもしますけど、そうなってほしくないので、とりあえずあがけるだけあがいて」
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