京都の「哲学の道」をアスファルトで舗装するべきか、土のまま残すべきか、意見が割れています。
25日、京都市役所を訪れたのは、京都の名所「哲学の道」の環境保全に取り組む3つの団体です。
哲学の道を舗装する計画について、サクラ並木の保全など周辺の環境に配慮し、アスファルトではなく、「土の道」を維持することなどを求める要望書を提出しました。
住民団体のメンバー
「沿道に住んでいる人間の中で、考え方の違いで分断が生まれているんですね。一石何鳥もの誰も損することのないような施策をお願いしたい」
京都市左京区にある哲学の道。銀閣寺の周辺から南へ約2キロメートルにわたり風情あふれる景色が続きます。春には約400本の桜が咲き誇り、ホタルも生息するなど、地元の人や観光客から愛されています。
京都市によりますと、哲学の道は、すでに一部がアスファルトで舗装されています。そのほかの区間は、「景観を守るべきだ」などと一部の住民から反対の声が上がり、舗装を見合わせてきました。
地元住民
「コンクリートにしたら どこにでもある道になるので、哲学の道は土の道、それを次世代に代々とつなげていきたい」
「自然や虫や鳥とか、本当に生態系が変わってしまうのが想像できるので、(舗装は)とてもありえないと思って」
一方で、砂利道を残すことによる弊害が。
地元住民
「これ、ほら割れてるでしょう。(砂で汚れて)こうなるんですよ、車も」
道沿いの住宅では、歩行者が踏んで飛ばしたとみられる小石で引き戸のガラスが割れたといいます。
地元住民
「駐車場、この車を入れるために作ったんですけど、もうこんなほこりだらけになって」
他にも、雨が降った日には、「水たまりができて歩きにくい」など、整備を望む地元住民もいて、意見が対立しています。
京都市は景観に配慮した上で、哲学の道を舗装できないか、専門家や推進派・慎重派の地元住民らと検討会議を立ち上げ、12月17日、現地を視察しました。
舗装 慎重派「哲学の道保勝会」 澤井孝泰さん
「大事な点は、ゲンジボタルは(京都市の指定)天然記念物ではあるんですけど、その生息地も天然記念物の対象となっている、全体の環境の中でぜひ検討をしてほしい」
舗装 推進派 地元住民・二之部文雄さん
「今の現状はね、(一部)アスファルトになっていますよね。それによってこの辺の環境が変わったとはなっていないですよね。ホタルはよく飛んでますよ。このあたり飛んでますよ。ここだけとは違いますよ」
参加した専門家は。
京都大学大学院 地球環境学堂・川崎雅史教授
「(砂利道を)固めても車が通ると石が外れるでしょう。だから、補修しないといけない場所もできますし、それをよく考えて、場所に応じて、住宅がある所、ない所、いろいろあると思うんです。だからそこを丁寧に整備していくというね」
景観の維持と人々の暮らしを両立する解決策に、たどり着くことはできるのでしょうか。
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