カフェを営む看護師夫婦が取り組む「コミュニティナース」 地域交流で健康な暮らしを 大分

カフェを営む看護師夫婦が取り組む「コミュニティナース」 地域交流で健康な暮らしを 大分

人と人との交流で地域の健康を支える「コミュニティナース」という活動に取り組む夫婦が大分県由布市にいます。
どのような取り組みなのか、取材しました。

大分県由布市挾間町のカフェです。営むのは佐野真樹さん、由香里さん夫婦です。

◆佐野真樹さん
「客と店という感じではなくて、一緒に過ごして、一緒に作る場にしていきたい。理想は」

そんな理想を抱き、2人は様々なイベントを開催しています。

この日行ったのは芋ほりです。

◆参加した母親
「地域密着のカフェとかあまりないので、今どき珍しいので、初めてこういった体験に参加した」

交流の場を提供する2人…実はある活動として行っています。

◆佐野由香里さん
「『コミュニティナース』のコンセプトである地域の楽しいこととかワクワクすることでつながる。それで元気で健康になるというところを実践していきたい」

2人が取り組む「コミュニティナース」。地域に活力を生み、暮らす人たちの健康につなげようという活動で、今、全国で広がりを見せています。

こうしたイベントを開くことも「コミュニティナース」の活動の1つ。
職業ではないため、資格などは必要ありませんが、実は2人は実際の看護師として医療の現場で働いていた経験があります。

以前は東京や横浜の病院に勤務していた由香里さん。

いきいきと仕事をする妻の姿に刺激を受け、真樹さんも35歳で看護師となりました。

しかし、2人は働く中でこんな思いを抱いたそうです。

◆佐野由香里さん
「訪問看護の制度からこぼれ落ちている人たちが、 自分が訪問看護をしながらすごく気になっていた」

◆佐野真樹さん
「精神科にも病棟にもいたが、戻った先でまた悪くなって戻ってくる。コミュニティの中にいられたら、もうちょっといい状態で過ごせたりできるのではないか」

課題を感じていたところ、偶然、雑誌で「コミュニティナース」について知りました。

◆佐野真樹さん
「こんな自由な発想で面白いことができるんだということに出合った」

こうして「コミュニティナース」の活動をすることを決断。由香里さんの古里である由布市挾間町に3人の子供たちとともに移住し、2年前にカフェを開きました。

12月5日、店で行われていたのは認知症の人たちやその家族、そして、認知症について学びたい人たちが集う月1回のイベントです。
この日はクリスマスリースを作り、交流を深めました。2人の活動に福祉関係者も期待を寄せています。

◆由布市地域包括支援センター阿部 泰代さん
「来ている中で変化に気がついたり、早めの医療機関の受診に(つなげたり)、看護職としての目がすごい。話せる場ができたのはすごく大きい」

◆佐野真樹さん
「今後はもっと共感してくれる人たちを巻き込みながら、一緒にやっていけることがもっと増えていけばいいと思う」

看護師の夫婦が取り組む「コミュニティナース」。地域に少しずつ明るい変化を生んでいます。

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