自民党の猪口邦子参院議員が住むマンションで2人が死亡した火事で、外部から侵入された形跡がないことがわかりました。こうしたマンション火災などに遭遇したとき、どのように避難したらよいのでしょうか。
「早く下がれ、煙が出ている」
おととい、東京・文京区のマンションで2人が死亡した火事。火元となったのは猪口邦子参院議員が暮らす最上階の6階でした。
その後の捜査関係者への取材で、6階に繋がる階段の扉と自宅の玄関が施錠されていたことが新たにわかりました。外部から侵入された形跡はなく、警視庁は部屋の中から火が出た可能性が高いとみて調べています。
また、同じ日には、川崎市の14階建てのマンションで火事があり、火元の13階の部屋の中から夫婦とみられる80代の男女が見つかり、その後、死亡が確認されました。
相次ぐマンション火災。もし、マンションなどの高い建物で火事に遭遇した場合、どのように避難したらよいのでしょうか。
「煙で階段から避難ができない」
これは、東京消防庁が公開している動画です。避難経路が限られるマンションなどで火事に遭遇した際に、どのように行動すれば命を守ることができるのか解説しています。
一番の注意点は「煙」。煙には有毒ガスが多く含まれていて、煙を吸ってしまうと、瞬く間に意識を失ってしまいます。
さらに、煙が上にあがる速さは毎秒3メートルから5メートル。駆け足でもすぐに追いつかれてしまうスピードです。煙の中では姿勢を低くして、ハンカチなどで口と鼻を覆うことが大切だということです。
階段が使えない場合は、「避難器具」を活用することも有効ですが…
「これどうやって使うんだ?」
避難には、事前の準備が必要です。
きょう、記者が都内のある施設を訪れました。
記者
「避難器具の使い方を体験できる都内の施設にやってきました」
最初に見せてもらったのは…
オリロー株式会社 東京支店 川岸勇介 主任
「基本的に火災が起きたときに、各階、下に1階ずつ降りていくための避難器具になります」
この「ハッチ式避難はしご」は、マンションに設置される一般的な避難器具。
フタを持ち上げ、チャイルドロックを外し、フタを90度まで開くと固定されます。そして、足を使い、はしごのロックを踏むと。
記者
「はしごが下まで降りました」
はしごに足をかけ、あとはゆっくりと降りるだけです。
記者
「少し揺れましたが、安全に地上まで降りることができました」
救助袋は、学校などの公共施設に多く設置されています。
フタを開け、表のカバーも外します。中身を取り出す前に誘導綱と呼ばれるロープを垂らし、袋のバンドを手前に引いて外します。その後、下に人がいないか確認しながら、袋全体をゆっくり下ろします。入り口を持ち上げて固定し、袋を押し広げると。
記者
「入り口があらわれました」
降りるときはバンザイするように手を上げて、背中をつけながら滑るそうです。
記者
「足から体を滑り込ませていきます」
そして、補助のヒモを持ってスタンバイ。袋の中はらせん状になっていて、滑り台のように回転しながら降りていきます。3階建ての建物の屋上から10秒ほどで地上に到着しました。
記者
「中はらせん状になっています。視界が白い布で覆われているので、恐怖心を感じずに下まで滑り降りることができました」
オリロー株式会社 東京支店 川岸勇介 主任
「火災のときはどうしても混乱してしまうと思うので、万が一の時にどこからどう逃げればいいのかを確認しておくのが一番間違いない」
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