新型コロナワクチン接種後に副反応の疑いがあった場合の報告を医師が怠っている事例が相次いでいるとして、医療従事者や健康被害を訴える市民に周知し報告を促すよう西宮市に住む大学教授が市に要望書を提出しました。
要望書を提出したのは、2021年9月と10月に新型コロナワクチンを接種後、3年近く体調不良が続いている関西学院大学経済学部の安岡匡也(やすおかまさや)教授です。
安岡教授は国に救済・補償を求める予防接種健康被害救済制度に申請し、ことし6月、ワクチンとの因果関係を否定できないとして医療費と医療手当の支給認定を受けました。
この際、ワクチンを接種した医師に自らの症例を副反応の疑いとして報告するよう促しましたが拒否され、国に報告されなかったということです。
ワクチンの安全性を評価する国の副反応疑い報告制度では、必ずしも因果関係が明らかでない場合であっても副反応の疑いがあれば、医師や歯科医師など医療関係者はPMDA・独立行政法人医薬品医療機器総合機構を通じて国に報告する義務があります。
兵庫県によりますと、ことし8月末現在、新型コロナワクチンとの因果関係を否定できないとして県内でワクチン接種後に亡くなった32人が健康被害救済制度による死亡一時金や葬祭料などの支給認定を受けました。
しかし、認定を受けた32人の事例のうち医師などから副反応疑いとして国に報告された事例は10人にとどまり、およそ7割が報告されていないということです。
安岡教授はきょう、西宮市の石井登志郎市長宛てに要望書を提出。
患者からの副反応疑いの報告依頼について医師が真摯に向き合い適切に報告するよう促すほか、健康被害を訴える市民が自らPMDAのホームページで報告したり、市町村の窓口で報告書を記入したりできることを周知することを求めました。
今後、兵庫県に対しても同様の要望書を提出する予定です。
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